[Adjust 最新インタビュー]CEOが語る、SKAdNetwork4.0における変更点と今後の方針
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モバイル広告に大きな影響を与えるiOS14のアップデート。今回のiOS14.5へのアップデートに伴い、 2021年4月26日以降、すべてのアプリを対象に、ユーザーのトラッキングやユーザーのデバイスの広告識別子へのアクセスについて、AppTrackingTransparency(ATT)のフレームワークを通じてユーザーの許可を得ることが求めらることになります。
ユーザーのプライバシー保護を目的としたAppleの方針により、iOSアプリにて従来のように広告のデータが計測できなくなるのに対し、AppleはSKAdNetworkを提供しますが、管理画面が公式に提供されないため、データを確認したり活用するためにはSKAdNetworkに対応したMMPを利用する必要があります。
SKAdNetworkを活用するのに必要不可欠とも言えるMMP。本記事ではAppsFlyerを利用する広告主向けに、これからSKAdNetwork計測を行うための設定方法や計測方法について詳しくご紹介します。
関連記事:【AppsFlyer最新インタビュー】ATT導入後、アプリマーケティングはどう変わるか
※本記事の内容はAppsFlyer Japanの監修を受けた情報を記載しております(2021年4月27日時点)
目次
SKAdNetwork計測は従来と比較して取得できるデータに制限が多いとされますが、AppsFlyerではSKAdNetworkにおいてもこれまでと同様、広告主のマーケティング活動をサポートできるよう、MMP独自の機能を開発しています。
Appleの仕様とは異なる点
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AppsFlyerの最も大きな特徴は、「計測期間を大幅に制限している」点です。これは、リアルタイムに近いデータで分析精度を確保することを目的としたもので、AppsFlyer独自の制限です。
SKAdNetworkの場合、ユーザーのデータはまず広告配信メディアに提供されます。しかし、広告配信メディアは、広告主それぞれの設定や計測したいコンバージョンを把握していません。そのため、メディア側からAppsFlyerにデータを転送してもらい、AppsFlyerが管理画面に反映するという作業が行われています。
AppsFlyerとデータ転送の連携を行っているメディアは随時増えており、公式サイトで最新情報を確認することができます。リストにないメディアは、現在AppsFlyerの管理画面でSKAdNetworkのデータを確認できないので注意が必要です。また、提携しているメディアの場合も、データの提供内容に差があるため必ず提携内容を確認するようにしましょう。
SKAdNetwork 連携済みパートナー|AppsFlyerヘルプセンター
※主要SNS系媒体のうち、Facebook、Twitterは既に連携済み
※Google AdsとAppsFlyerとの連携は2021年の5月上旬に完了予定で進行中
次に、AppsFlyerでSKAdNetworkの測定を有効にするための手順をご紹介します。
まず、AppsFlyerでSKAdNetworkを利用するためには最新版のSDKにアップデートする必要があります。以下のページを参考に、最新版のSDKが使われているか必ず確認するようにしてください。
iOS SDK V6へのアップデートガイド|AppsFlyerヘルプセンター
以下の中から、自分のアプリに合った測定タイプを選びます。(デフォルトでは「収益」が選択されています)
※測定タイプは後からの変更も可能ですが、設定を変更した場合、反映には48-72時間(SKAdシミュレーションのみであれば24-48時間)がかかります。
(2021/3/15時点 引用:AppsFlyer)
①収益
ユーザーのおよその課金額を取得できます。「0.01ドル・1ドル・10ドル」の中から自分のアプリにあった単位が選べます。
例)設定単位(粒度)を「1ドル」に設定すると、1ユーザーの課金額を最小1ドル~最大63ドルの範囲で計測 ※収益は24時間以内に発生した収益の合計となる
②コンバージョン
アプリ内イベントをコンバージョンとして設定し、計測できます。設定できるイベントは最大で6つまでです。
③エンゲージメント
指定したアプリ内イベントが発火した回数を計測できます。指定できるアプリ内イベントは1種類まで、回数は最大63回まで計測ができます。
④カスタムバージョン
すべてのコンバージョン値の設定を自社で行うことができます。コンバージョン値の発行ルールに使用できるのは、AppsFlyer SDKでアプリ内イベントとして計測しているものに限られますが、その中であれば自由に設計していただくことが可能です。
※コンバージョン値の詳細については関連記事を参照(2021/3/11時点)。
また、各測定タイプの例はヘルプページにてご確認頂けます。
測定を有効にすると、ユーザーのデータが測定されるようになります。ユーザーの挙動にもよりますが、管理画面上でデータが反映されるのは、ユーザーがアプリを初めて起動してからおよそ48~72時間後です。
SKAdNetworkの仕様上、測定期間の期限が切れた後に発生したユーザーアクションは記録されないことにも注意しましょう。
補足:アドネットワーク向けSKAdNetwork連携についてはこちら
測定されたデータは、AppsFlyerの管理画面から確認することができます。現状では広告主アカウントのみSKAdNetworkのデータを確認することが可能で、代理店アカウントからは確認できません。(※代理店アカウントへの対応は2021年4〜6月頃になると発表されています)
また、AppsFlyerで確認できるSKAdNetworkのデータは、すべてSKAdNetwork(=Apple)のルールで計測されたものになっており、通常のAppsFlyerの基準とは異なっているため、注意が必要です。
AppsFlyerのSKAdNetwork管理画面|AppsFlyerヘルプページ
なお、使用可能なグラフは、選択された計測タイプにより異なりますので、ヘルプページを参照。
以下は管理画面で確認できるグラフ一例
■日付別 ユーザー獲得数
■インストール by Media source/Campaign/Site ID
■トップイベント
iOS14.5以降、AppsFlyerではパートナーへのデータ共有に際し、「高プライバシー一括設定(Advanced Advanced Privacy、以下AAP)」という機能を提供をします。これは広告主が連携するパートナーへ渡すユーザーレベルのアトリビューションデータを制御できるもので、デフォルトで設定がオンになっています。※この設定を変更できるのは、広告主のアドミン権限のみとなります
▲AAP設定スイッチ(管理画面の「アプリ設定」ページ内)
AAP設定における取得データの違い
参照:AppsFlyer
【AAPがONの場合】
【AAPがOFFの場合】
※AAPをOFFにしただけでは、各媒体との連携はまだONのままの状態。特定の媒体でユーザーレベルのアトリビューションデータを取得したい場合には、一括設定をOFFにした後、個別に媒体のAPをOFFに設定すること。
※代理店アカウント上で[高プライバシーポストバック]の設定を変更できるようにするには、事前に代理店アカウントに対する権限付与設定において、広告主から高プライバシーポストバックに関する設定権限を付与する必要あり。
▲パートナーに権限が付与された状態(管理画面の「アプリ設定」ページ内)
各パターンにおけるポストバックタイプまとめ
参照:AppsFlyer
※AP設定がOFFの場合は、既存のテンプレートが使用され、取得するデータは従来どおり
高プライバシー一括設定のフレームワーク|AppsFlyerヘルプページ
AppsFlyerはSKAdNetworkに対するプロダクトとして「SK360」を提供すると発表しています。これは、ここで紹介した機能を含め、SKAdNetworkに対応した各種機能をまとめてパッケージにしたものです。「予測分析」や「不正対策機能」など業界最先端の機能も今後提供していくとしており、SKAdNetworkをより活用していく必要があるアプリマーケターにおすすめです。
AppsFlyerではSKAdNetworkに関連するプロダクトの最新情報や分析に役立つノウハウ、iOS14への対応状況が公式サイトにて随時公開されていますので、以下ページも合わせてご確認ください。
iOS 14に向けての準備&最新情報をまとめたサイト
https://content.appsflyer.com/ja/ios-14-hub/
AppsFlyer「SKAdNetworkソリューションガイド」【随時更新】
https://support.appsflyer.com/hc/ja/articles/360011420698-SKAdNetwork
非常に複雑なSKAdNetworkですが、各MMPで対応が進められており、具体的な仕様も徐々に公表されつつあります。提携しているメディアパートナーやデータの反映時間など、随時更新されている情報も多く、使用している各MMPのサイトを参照しながら情報を常にキャッチすることが必要です。
アプリマーケティングの新たな王道パターンが確立されるまでは試行錯誤の時期が続きますが、ナイルでは引き続き、アプリビジネス従事者の方々に役立つ情報を発信していきます。
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