[イベントレポート] ABEMAとFODが語るCTV市場のトレンドとCTV広告の可能性(Adjust)
モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告...(続きを読む)
Appleは今年6月に開催した開発者会議(WWDC 2022)にて、SKAdNetwork APIのアップデートを発表。2022年下半期にリリース予定ですが、新機能に関する詳細についてはまだ明らかになっていない部分も多く、アプリマーケティング業界関係者からの関心が高まっています。
ユーザープライバシーが重視されるなか、SKAdNetwork4.0は広告計測にどのような変更をもたらすのか。今回は、モバイルマーケティング分析プラットフォームを提供するadjust株式会社のCEOである、サイモン(ボビー)・デュサール(Simon(Bobby)Dussart)氏のインタビューをお届けします。
Adjustの公式ブログでも、SKAdNetwork4.0の概要と今後のビジョンについて公開していますので、あわせてご覧ください。
【最新】SKAdNetwork 4.0を解説:Adjustが描く2022年とその先のプライバシービジョン
※本記事における情報は、取材時点(2022年7月22日時点)での最新情報となります
(インタビュー:石井 久規 )
ー「Hierarchal source ID(階層的ソース識別子)」では、具体的にどのようなアトリビューション情報が取得できるようになりますか?
これは従来の「キャンペーンID」に替わるもので、広告主はインストールがどのキャンペーンに紐づくのかを特定したり、追加のアトリビューション情報を付加することができる機能です。
キャンペーンバリュー、広告配置、広告クリエイティブの種類などの情報を、アプリの目標に基づいて最大4桁の設定が可能となります。ただし、4桁の設定ができるのはインストール数を満たした場合や、Appleのプライバシー閾値を満たした場合のみで、条件を満たしていない場合には2桁です。
現時点でまだリリースされていないため、「Hierarchal source ID」の明確な仕様についてはあくまで推定になりますが、広告クリエイティブのタイプやユーザーのターゲティングなどを、より細かい情報をレポートすることができるようになると考えられます。
なお、エンコーディングする技術については、ネットワーク側で管理されているので、アドネットワーク事業者の戦略によるところが大きいでしょう。
ー「Hierarchical conversion values(階層的コンバージョン値)」はAdjustでどのように管理されますか?
SKAdNetwork4.0の詳細が公開されていないため、プロダクトもまだ開発途中です。現時点で分かっている仕様を元に説明しますと、「Hierarchical conversion values」は、粒度の異なるコンバージョンに関する情報を提供するものです。
現在は Appleのプライバシーしきい値(キャンペーンからの一定のアプリインストール数)を満たしていない場合、広告主はアトリビューション情報をほとんど得ることができません 。
SKAdNetwork4.0では、プライバシーしきい値を満たしている粒度別のアトリビューション情報を得ることができます。この粒度をどのように「低・中・高」と定義づけられるのかについては、まだ詳細が明らかになっていないため分かりません。
ー「Multiple conversions(複数のコンバージョン)」が広告主にもたらすメリットについて具体的に教えてください。
現状のSKAdNetworkの仕様では、1インストールに対して1ポストバックしか受け取ることができず、広告主はアプリインストールから24時間〜48時間後以内にポストバックされた情報を元に広告効果を判断しなければなりませんでした。
新たに実装される「Multiple conversions」では、特定のコンバージョン期間(0〜2日間、3〜7日間、8〜35日間)に基づき、 1インストールに対して最大3つまでのポストバックが受け取れるようになります 。
この変更は広告主にとって非常に大きな一歩で、特にEコマースやアドバンスゲーム、配車サービス、サブスクリプション型のアプリなどユーザージャーニーが長く、 測定KPIや大事なイベントがユーザージャーニーの後半に発生するアプリにとって非常に有益なもの です。
ー広告主が「Multiple conversions」を計測するにあたって、Adjustのプロダクト側ではどのような仕様変更を予定されていますか?
現在Adjustが提供している「Conversion Valueマネージャー」は、SKAdNetworkのデータを理解し一箇所で管理するためのツールで、フレキシブルなイベントファネル、広告収益やアプリ内購入などLTVを予測するのに必要なKPIのマッピングなど細かい設定が可能な、柔軟性の高いツールですが、SKAdNetworkのアップデートに伴い、より長い計測期間に対応できるようにします。
既に、開発準備を進めていますが、3つのポストバックを1つのインストールにどのようにして紐づけるかについて、現在検討を進めています。我々の予測では、おそらく「トランザクションID」がその識別子になるだろうと予測していますが、Apple社がどのように考えているのか現時点でスペックがまだ分からないため、これが確定ではありません。
ーSKAdNetwork4.0では、Private Click Measurement(PCM)を使用することで、Web広告とアプリ内広告の両方をアトリビュート可能になるとの情報ですが、これに伴うAdjust側の変更について教えてください。
ユーザーがクリックした際にSKAdNetworkで識別する部分については、アドネットワーク側の仕様に関わる話ですので、PCMによる影響が最も大きいのは、アドネットワークだと我々は考えています。
Adjustの重要な役割は、設定されているリンクがWeb to AppにおいてもSKAdNetworkを通じて正常に作動するよう、アドネットワークと連携を取ることです。
また、アドネットワーク以外で影響があるのはおそらくオウンドメディア(自社が所有するメディア)になります。オウンドメディアの対策ついては、AppleのPCMに準拠するリンクの埋め込み方についてのガイドをAdjustが作成し、クライアントに提供します。また、「スマートバナー」機能の一環として、導入のしやすいPCM対応ソリューションの提供を検討しています。
ーSKAdNetworkのアップデートは、計測ツール以外のAdjust製品にも影響がありますか?
Adjustが今年発表した新しいアナリティクスツール「Datascape」が、SKAdNetwork計測にも対応しています。
「Datascape」ではSKAdNetworkのキャンペーンをはじめ、ネットワークAPI、アトリビューション、ATTの同意ユーザーのインストール数など、すべてのデータを1つのインターフェースで確認・分析することが可能でして、これによりマーケターが戦略上の意思決定をスマートに行えるようになりました。
こちらも、今後SKAdNetwork4.0へのアップデートに対応していく予定です。
ーApple社がプライバシーに配慮し、SKAdNetworkやPCMなどのアトリビューション計測を行うことは、アドフラウド被害を減少させるという副次的要素があると考えますが、Adjustとしてのフラウド対策の方針は今後どのようなものになっていきますか?
確かに、ある程度のフラウドは防げるでしょう。しかし、SKAdNetworkが対策として有効なのはインストールが発生する前です。
「SDKスプーフィング」のような、 インストール後に起こるフラウドに対しては、SKAdNetworkで防ぐことができません ので、今後もAdjustの不正防止機能を引き続き活用して頂くことが重要だと捉えています。
ーGoogleも今後Appleに追随してプライバシー保護を強化すると予測されています。Androidのアトリビューション計測に関して、Adjustとしては今後どのような変化や影響があると考えられますか?
Androidのプライバシーサンドボックスに関しては、既にGoogle社からスペックの概要が発表されており、今後数年以内にメインの計測ツールになっていくだろうと伝えられています。
現段階で公開されている情報を見る限り、SKAdNetworkと仕様がかなり異なり、プライバシーサンドボックスが複数のデータストリームを持つ点から、SKAdNetworkより多くの可能性があると感じています。
Adjustでは、今後詳細が発表され次第、引き続き対応を進めていく方針です。
GoogleがAndroid向けのプライバシーサンドボックスを発表:業界への影響
ー本日はありがとうございました
「TikTok広告活用最新ガイドAdjust版:iOS14.5以降のマーケティングを成功させる方法」を発表
レポートの詳細についてはこちら
https://www.adjust.com/ja/resources/ebooks/adjust-tiktok-ios-success-playbook/
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