[Adjust 最新インタビュー]CEOが語る、SKAdNetwork4.0における変更点と今後の方針
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モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告に関するトークセッションを開催した。
Adjustは2021年11月に「コネクテッドTV広告計測」の提供を開始。インターネットに接続されたテレビ端末による、モバイルアプリのインストール促進のパフォーマンスが計測できる機能で、広告主はCTV広告の閲覧数からモバイルアプリインストールまでのユーザージャーニーを把握し、キャンペーンの最適化と成長促進に活用できるクロスデバイスのインサイトが取得可能。
トークゲストには株式会社AbemaTV・綾瀬龍一氏(シニアプロダクトマネージャー)と株式会社フジテレビジョン・村上正成氏(FODマーケティング責任者)を迎え、Adjust佐々直紀氏(日本ゼネラルマネージャー)と「CTV市場のトレンドとCTV広告の可能性」について語った。
佐々氏:コネクテッドTV(CTV)とは、インターネットに接続されたテレビの略称です。スマートテレビをはじめ、ストリーミングデバイスなどもCTVに含まれます。
Adjustでは、CTVの広告からモバイルアプリのインストールにどのくらい貢献したかを計測できる、クロスデバイスソリューションを昨年11月にリリース致しました。また、CTV自体のアプリも提供されておりますので、CTV広告からCTVアプリへのインストールも対応しています。さらに今年の5月には、業界初の包括的なコネクテッドTV(CTV)広告計測ソリューション「CTV AdVision」を発表しました。この分析ツールにより、CTV広告のパフォーマンスを一つの管理画面で可視化し、アプリの指標に与える影響を理解することができます。
CTVで楽しむコンテンツは映画やドラマが中心ですが、最近欧米ではスマートテレビ上で動くゲームも進出しており、今後もさまざまなジャンルが増えてくると言われています。
綾瀬氏:日本国内のCTV市場は急成長が見込まれており、今後4年間で市場規模が5倍以上になると考えられ、CTVを新しいチャネルとしてどう活用していくかが重要なテーマです。
メディア視点でも、CTVのユーザー割合がすごく伸びてきている状況を踏まえると、今後の広告市場の成長も妥当だと感じています。
ABEMAでは、コネクテッドTVに特化した広告ソリューション「ABEMA Ads CTVパッケ-ジ」の提供を開始しまして、Adjustを使ったモバイルアプリインストール計測をはじめ、広告主様にCTVを使って頂ける環境を整えております。
既にABEMAの広告におけるCTVの割合が約3割近くになってきていることからも、CTV市場への期待感が高まっているように思いますね。
村上氏:コロナをきっかけにテレビで動画配信を視聴するユーザーが大きく増え続けていて視聴時間も増加傾向にあるので、CTV広告もこれからどんどん広がっていくだろうなと感じております。
FODはエンタメサービスの集合体でして、「FOD見逃し無料」は放送中のテレビドラマなどが視聴できる、無料広告モデルです。「FODプレミアム」は、月額有料会員向けの見放題サービスで、会員特典で雑誌読み放題もついている他、新作映画のレンタル、・マンガも購入できるなど幅広いコンテンツを用意しています。
佐々氏:海外のCTV広告の事例をみてみますと、QRコードを画面に直接表示しているように、直接的に刈り取りを意識したクリエイティブが作られています。
従来の地上波テレビですと、CM放送中に視聴者にQRコードを読み取らせる時間を確保するのは難しいかと思います。しかし、CTVでは広告視聴中にアプリインストールを促すことで、ユーザーが直後にメリットを得られるような仕掛けが実現しやすいと考えられます。
また、CTV広告はQRコードとの親和性が高いだけでなく、同じ空間でスクリーンを視聴している複数のターゲットに同時にリーチできるという点も利点として挙げられるでしょう。
村上氏:これまでは、スマートフォンに合わせてクリエイティブを作ってきたところ、今後は逆にテレビに合わせて作ることを考えるようになりますね。
綾瀬氏:テレビはスマ-トフォンと比較してデバイスの画面サイズそのものが違うだけでなく、CTV広告においては、ユーザーの手元にモバイルデバイスがある状態からどうアクションに繋げるかを軸にクリエイティブを考えていくことになります。ですので、CTVにおける効果を測定する環境も非常に大切だと思います。
村上氏:私自身が、FODの広告出稿を担当しているのですが、CTV広告の場合、手元にあるスマートフォンで成果が出ていても、その成果を計測することが難しいことを悩ましく感じていたので、CTVと手元にあるスマートフォンを横断して効果測定が可能になったことは非常に魅力的でした。
また、FODでは、CMの視聴完了率がスマートフォンよりCTVの方が高いことから、長尺CMでも最後まで広告を見てもらうことができるので、自分たちの伝えたいメッセージが丁寧に伝えられる点が良いと感じています。
綾瀬氏:ユーザーが広告に接触した後のインストール率など、CTV広告の方が効果が高い事例が増えておりますので、新しいパフォーマンスチャネルとして今後ますます期待できるのではないかと思っています。
佐々氏:昨今、プライバシーの問題で詳しいデータが取りにくくなっていますが、そうした中でも新しいチャネルを増やしていきたいという広告主さまからの相談はよく聞かれますね。
綾瀬氏:CTV広告におけるターゲティングに関して言いますと、視聴するデバイスがテレビであるのに対して、マーケティングに利用されるユーザーデータはモバイル上に多く存在していることが、CTV広告のターゲティングの現状の課題だと思います。したがって、従来のようなデマンドサイドや第三者によるデータでは難しく、CTVのプラットフォーマーが保有するファーストパーティデータをうまく活用することが重要だと思います。
クリエイティブにおいては、ABEMAとしてもCTVに特化した広告フォーマットも鋭意準備中ですが、まだCTV広告市場は始まったばかりで、クリエイティブ・フォーマットについて正解がまだない状況なので、是非広告主やマーケターの皆さんと色々試しながら探っていきたいですね。
佐々氏:テレビCMと同じクリエイティブを流すのではなく、動画の尺にとらわれずさまざまなチャレンジができるのではないかと思います。海外ですと、動画配信を止めたタイミングや番組を選ぶ画面に表示させるようなものもあって、今後日本でもさまざまな広告枠のバリエーションが増えていきそうです。そうした事例をどんどん業界に共有していきたいと思います。
綾瀬氏:ABEMAとして注力したいのは、まずは新しいチャネルとしてCTVにどのような広告効果が期待できるのかをしっかり可視化することで、広告主側へCTVの魅力を伝えていきたいと取り組んでおります。
また、テレビという大きなデバイスだからこそできる新たな広告体験を追求していくだけでなく、広告そのものの在り方を考えていきたいですね。ユーザー視点では、「広告=コンテンツ視聴を中断して見なければいけないもの」という体験そのものがストレスに感じてしまう可能性があるので、コンテンツの中で広告をストレスなく見やすくなるよう挑戦していこうと考えています。
村上氏:我々としても、これからAdjust様とCTV広告ソリューションを一緒に試しながら、FODへご出稿頂けるよう進化させたいと動いております。
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