[イベントレポート] ABEMAとFODが語るCTV市場のトレンドとCTV広告の可能性(Adjust)
モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告...(続きを読む)
先日、秋葉原UDXにて開催された『App Ape Award 2016』。受賞式には2016年を代表する人気アプリの開発企業が参加し、賑わいを見せました。ユーザー数を伸ばすことに成功したアプリがどんな事に取り組んできたのか? 受賞企業によるパネルディスカッションの模様も交えたレポートをお届け。
目次
今回の授賞式には、ノミネートされたアプリの開発企業が多く出席。ジャンルもゲーム、ショッピング、ニュース、音楽、カメラ等さまざま。主催のフラー株式会社代表取締役・渋谷 修太氏の挨拶からはじまり、各賞の表彰が行われました。
受賞アプリの開発企業にはトロフィーが授与され、舞台に上がった担当者によるスピーチの時間。アプリを作ろうと思ったきっかけ、開発時のエピソード、ユーザーへの感謝、今後の抱負など、普段なかなか知ることができない話に、会場にいた参加者から沢山の拍手が送られました。
受賞者の発表が一通り終わると、フラー株式会社による2016年の総括。データ分析という独自の視点で、カテゴリごとの月間利用者数の推移や、今回の受賞アプリに見える傾向、最後に2017年注目したいトピック等について話が広がりました。
授賞式終了後には、受賞アプリの開発企業によるパネルディスカッションが行われれ、開発経緯やサービスの在り方、今後の予定等、人気アプリの裏側を知ることができた貴重な機会となりました。
株式会社Abema TV 開発局 局長 株式会社サイバーエージェント 執行役員 長瀬慶重氏
C Channel株式会社 Development Manager 齋藤健太氏
長瀬慶重氏
『Abema TV』は若年層のテレビ離れに着目して開発した動画メディアです。2016年4月11日のリリース以来、現在までに1,300万DLを突破しています。ユーザー数の7割が34歳以下。今後もユーザー数を拡大し、インターネット発のマスメディアという存在を目指しています。
テレビ朝日と合同で行っている番組作り根底にあるのは、ターゲットである若年層を意識したコンテンツです。昔のように、みんなが共通して好きなコンテンツというのが分かりづらい時代なので、アニメ、将棋、サッカー、麻雀等、「コアなファンのいるジャンル」のチャンネルを一つ一つ拡充させています。今一番人気があるのはアニメ、TOP画面のニュース番組もよく見られています。
齋藤健太氏
『C Channel』は女性の知りたいを1分で解決する、ハウツー動画サービスです。ほとんどの動画は自社で内製しています。分散型メディアとして特にFacebookで強みを持っていて、合計再生回数は6億6千万回を突破。
動画の再生回数を伸ばした要因の1つはローカライズ。『C Channel』はサービスインして半年後というかなり早い段階からグローバル展開をしてきました。それぞれ現地の嗜好に合わせて現地で受けるコンテンツの調整を行っています。日本だと可愛いと言われるクリッパーが、タイだと全然ウケないこともあるんです(笑)また、Facebook、Twitter、Instagram、メディアごとに運営体制を最適化していることも再生数の増加に繋がっていると思います。
コミックスマート株式会社 プラットフォーム部 部長 福西祐樹氏
株式会社トクバイ 代表取締役 沖本裕一郎氏
dely株式会社 代表取締役 堀江裕介氏
福西祐樹氏
『GANMA!』はユーザーが全て無料で読める漫画アプリで、両OSで500万ダウンロードを突破しています。”漫画家を子供たちの憧れの職業にしたい”というミッションを掲げ、漫画家の支援・育成も行っています。
事業として立ち上げた時は、アプリもない状態で漫画家さんを探すという、今思えば大変な時期だったなと思います。運営を開始してからは、ユーザーが漫画のコンテンツ部分以外に、サービスとして『GANMA!』の対応にも期待してくれているのを見て、うまく行きそうだと感じることができました。競合の多いジャンルですが、ユーザーに充実した時間を過ごしてもらえるよう、今後も面白い作品を作って提供していきたいと考えています。
沖本裕一郎氏
『トクバイ』はチラシの情報がスマホで閲覧できるアプリです。授賞式でご紹介頂いたように50代以上のユーザーが20%以上もいます。最近は新聞の購読が減ったことでチラシが手に届かなくなっている状況なので、クックパッド上で「レシピ」と「その日に安い食材」を組み合わせて意思決定ができるサービスにしたいと当初から考えていました。
最初のメンバーは3人、商店街にある小さな店舗でユーザーが1,000名程度の規模感からのスタートでしたね。今後はリアル店舗の買物情報をオンラインに集約することに力をいれ、世の中の買い物を支えていくサービスに成長していきたいです。
堀江裕介氏
『KURASHIRU』は2016年の1月からスタートした料理動画メディアで、現在では月間の動画再生回数は1億回を突破しています。”70億人に1日3回の幸せを届ける”をビジョンに、全ての動画を自社で内製しているんです。今は月間でだいたい1000本の動画を作っています。
1年ほど前、お弁当のデリバリー事業が上手く行かず新規事業として何をやるか悩んでいた当時、海外で流行っているらしいと聞いた動画を見て、試しにフライパンと材料を買ってきてスマホで撮影して投稿してみたんです。一発目の投稿からこれはイケるなって思いました。将来的に、会社としてグローバルで戦えるところを目指しています。
株式会社 あきんどスシロー マーケティング部 部長 山本直幹氏
日本コカ・コーラ株式会社 マーケティング本部 IMCiマーケティング シニアマネージャー 平尾卓也氏
株式会社トリドール インフォメーションテクノロジー部 部長 経営企画室 次長 村上卓也氏
山本直幹氏
『スシロー』は現在日本全国に455店舗を展開している回転寿司です。お店に行きたいけど混雑しているので行けないというお客様の声が非常に多かったことを機にアプリを開発しました。ポイントやクーポン、持ち帰り注文等機能も拡充し、2016年12月時点で550万ダウンロードを達成。
来店前の受付機能はアプリDL後、会員登録なしで誰でもすぐに利用可能です。予約に関してはお客様情報を事前に頂いているんですが、これはマーケティングという考えではなく、店舗の状況に応じてきちんとお客様へ連絡をとる必要があることを想定してのもの。今後もみなさんへ美味しいお寿司を届け、更に顧客満足度を上げていく為に、アプリと店頭サービスのつなぎ込みが最大のテーマです。
平尾卓也氏
『Coke ON』は自販機と繋いで使うシンプルなアプリで現在300万ダウンロードを突破しています。15本買うと1本無料で貰えるサービスで、飲む・買う・楽しむという3つの領域をカバーすることで、コカ・コーラ製品をご愛飲頂いている方の365日をより楽しくするというコンセプトになっています。
今後さらにサービス・キャンペーンを展開していくうえで、国内に100万台以上あるコカ・コーラの自販機をサービス対応させていく、デバイス側での整備を進めていくことが私達のチャレンジです。また、これまでデジタルマーケティングで作ってきたファンとアプリと自販機を繋ぎ、より良いサービス・体験を届けていきたいと思っています。
村上卓也氏
『丸亀製麺』アプリは、2016年6月にリリースしたんですが、13日間で100万ダウンロードを達成することができました。App Storeの無料アプリランキング1位にもなり、現在までに300万ダウンロードを突破しています。
繁盛店だと30分で100会計を超えるので、レジで会員情報を処理することは売上に直接影響してしまう為、レジと離れた場所で処理できるものにする必要がありました。そこでお客様に、会計後レシートのQRコードを使って自分で会員情報を入れてもらう形を取っています。実際、いろんな方面から「利益は大丈夫なんですか?」とご心配頂くんですが、今のところ大丈夫です(笑)アプリを運営していくうえでは、丸亀製麺分かってくれているなとお客様に感じて頂けるような施策を進めていくので、よろしくお願いいたします。
株式会社メルカリ Product Owner of Japan 片岡慎也氏
片岡慎也氏
『メルカリ』はサービス開始から3年半で国内4000万ダウンロードを突破。ユーザーにとって「安全・安心」で、そして「簡単」にお取引が出来るかというテーマを最も大切だと考え開発を進めてきました。昨年の7月にアメリカ版App Storeで3位になったのですが、現時点でまだ海外のCtoC市場において圧倒的な勝者がいない状況です。そのため、当社としてもNo.1を目指しチャレンジを続けています。
日本国内に関しては、今後、市場が活性化していくなかでも、お客様のためにメルカリがやるべきことはこれからも変わりません。探す・買う・売るというユーザーにとってコアな機能において、らくらくメルカリ便をはじめ、まだまだ改善できる部分が沢山あると思っています。
King Japan株式会社 代表取締役 枝廣憲氏
スポティファイジャパン株式会社 Consumer Marketing Manager 井原舞氏
枝廣憲氏
「King」のゲーム(『キャンディクラッシュ』等)は月間ユーザー数が4億超えで、デイリーで1億人以上の方に楽しんで頂いています。2016年はゲームに関して言うと、グローバルとローカルの境界線が薄くなってきたと感じる年でした。去年リリースした『バブルウィッチ』はマクドナルドとコラボしてキャンペーンを実施し、ユーザーの起動率を伸ばしました。
アプリの世界で「King」と言うと有名な会社なんですが、日本での知名度はまだ足りてないので、日本の市場でローカルなコンテンツを作っていくにあたって、日本の業界の方と組むことに関しては苦労する部分も確かにありました。2017年は”Japan to Global and Global to Japan”という時代が必ず来ると思っています。
井原舞氏
『Spotify』はスウェーデンで誕生した、世界で1億人以上のユーザーが利用している世界ナンバー1の音楽ストリーミングサービスです。日本への進出は2016年9月とまだ始まったばかり。このサービス展開をするにあたって、日本はまだストリーミングで音楽を楽しむこと自体が定着していないと感じていたので、まずは音楽業界の方にそのメリットを説明することからのスタートでした。お陰様でご高評頂いていて、20代30代だけでなく、40代50代の洋楽を聴く世代の方にも届いていることを嬉しく思っています。
今後は音楽ファンを中心に、海外で展開してきたSpotifyの一番の強みである、4000万曲以上の楽曲からユーザーの好みを学習させることで進化する、音楽発見機能の魅力をユーザーへ届けていきたいです。
今年が第1回目の開催となった「App Ape Award」は、既に来年の開催が決定しています。2017年、最もユーザー数を伸ばすアプリはどれなのか、今からとても楽しみです。
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