[イベントレポート] ABEMAとFODが語るCTV市場のトレンドとCTV広告の可能性(Adjust)
モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告...(続きを読む)
メイクやファッション、恋愛の悩みなど、女の子のライフスタイルを支えている女性向けメディア。今や、雑誌やTVよりも、ユーザーに寄り添った目線で信頼性を高め、女性達の間では定番になりつつある存在です。
今回は、『C CHANNEL(シーチャンネル)』と『LAURIER PRESS(ローリエプレス)』の開発者さんが、アプリ成長の秘訣を語るイベントを取材。アプリの解析・マーケティングツール「Repro」を提供しているRepro株式会社と「Ad Generation」を提供するSupership株式会社が共同開催した「Growth Hack Talks #4」の模様をお届けします。
女性向けアプリを開発する男性は、果たして女の子の気持ちが分かるのでしょうか? そんな疑問も抱きつつ、どうやってアプリのユーザーを増やしたのか、開発における裏話を伺ってきました。
▲会場はアプリ開発に関わる人達で満員。(Red Bull Studios Tokyo)
目次
クリッパーと呼ばれる投稿者を中心に、料理、メイク、ファッション等、女性が気になる話題を動画スタイルで届けてくれるメデイア『C CHANNEL』。
スマホに特化した”縦型動画”をいち早く取り入れ、ネイルやヘアスタイリングといったテクニックを分かりやすく解説してくれるハウツー動画をはじめ、最新の人気スポットやオシャレな注目アイテム、恋愛ドラマなど様々なコンテンツを配信しています。
▲動画だからこそ伝わりやすい内容と、投稿する女の子達へのリアルな反応が見られる。
▲『C CHANNEL』の開発担当:齊藤 健太氏(C Channel株式会社)
『C CHANNEL』では、ユーザーさんに毎日アプリを使ってもらえるよう、その人の趣向に合った情報、自分ごとできる情報を届けていこうと注力しています。
継続的にアプリを使ってもらう為にどんなことをすべきか、そのアイデアの元になっているのが、ユーザーさんの反応・行動を集めたデータです。
▲動画再生ページ。ユーザーはクリッパーのフォロー、コメント投稿、マイリストへの登録などができる。
メインの指標としているのは、動画の再生数とアプリの起動率。ユーザーさんがアプリを起動した際、1度に動画を何回再生するのか、何ページ見るのか、どれくらいの時間閲覧しているのか、といったデータを集計しています。
TOPページ上でユーザーさんが離脱するポイントを探る為に、画面をどこまでスクロールしたのか、どこをクリックしたのか、動画は最後まで見たのかも分析しています。
▲『C CHANNEL』のTOPページは縦に長く、横にもコンテンツが広がっている。
その他にも、ユーザーさんの動画に対するリアクションを分析して、特定のアクションとそのユーザーさんのアクティブ率の相関関係を調べたりしています。
C Channelでは最近、『Soda』というオシャレな動画を撮影・編集できるカメラアプリをリリースしました。このアプリは、セルフィー(自撮り)でなく、風景や食事をオシャレに撮影できるフィルターが充実しているアプリです。
▲「Soda.」のアプリダウンロード画面(App Store)
自分達のアプリを継続して使ってもらう為には、ダウンロードしてもらう前に、アプリをきちんとユーザーに説明することが大切なんです。目的に沿った人にダウンロードしてもらわないと、結局、継続して使ってもらうことはできません。
数あるカメラアプリの中でも、「Soda.」は風景・料理に向いていることを説明し、フィルターに強みがあることが伝わるようなテキスト、世界観を表現したクリエイティブを作りあげたことで、実際に効果がありました。
▲アプリの「特徴」と「こんな人にオススメ」という説明文が分かりやすい。
せっかく追加した新機能がユーザーさんに使ってもらえないことって、すごくよくあるんです。いろんなデータを分析した結果を元に考えたのにダメだったんだ……と、でもそこで諦めてしまうのではなく、細かく調整をしています。
「読み込みが早い」とか「使っていて気持ちいい」っていう本当に細かい部分から見直して改善することで、とんでもなく反応が良くなることもあるんですよね。そこは、ユーザーさんの気持ちになって、自分達が実装した機能や設計したUIを見直して、よりよいモノにしていく作業が非常に重要だと思います。
▲『C CHANNEL』への動画投稿時、ユーザーに向けて『Soda.』を紹介。
新しい機能・デザインは、ユーザーさんにとってやはり抵抗があるので、ただ強調するだけでなく、より使ってもらえるように工夫することを意識しています。
また、アプリの品質を維持していく為に、お問い合わせのメールの対応や、クラッシュレポートをいち早くキャッチして不具合の修正を行ったり、ストアでのレビューをこまめにチェックして、1人1人に返信をしています。
みんなが真似したくなる情報を発信するだけでなく、体験イベントも開催しているC Channelさん。今年の4月に行われた「SUPER C CHANNEL」では多くのお客さんで盛り上がっていました。
ユーザーの気持ちになってアプリを開発するうえで、そういったリアルなコミュニケーションが生まれる場所を自分達で作っていることも、成長する秘訣なのではないかと感じました。
【関連記事】
リアル体験型イベント『SUPER C CHANNEL』レポート。女の子の「なりたい!」が凝縮
イベント開催間近、C CHANNEL大人気クリッパー・ひよんさん独占インタビュー
自分磨きを頑張る女性に向け、”もっと可愛い自分”になるためのヒントをくれるメディア『LAURIER PRESS』。女性の悩みや疑問を取り上げた記事が共感を集めている他、美容、ファッション、写真の加工術、インフルエンサーによる連載など、気になるトピックが満載。元々はWebメディアでしたが、昨年12月にアプリ版がリリースされました。
▲女子力アップに欠かせない情報はローリエプレス編集部によるオリジナルコンテンツ。
なぜアプリをリリースしたのか、その理由はユーザーと私達メディア、双方にあります。近年は、スマホを触っている時間のうち、85%がアプリを使っている時間というデータがあるというのが1つ。これは女性に限らずとも、多くの人が納得できる感覚ではないかと思います。
そしてもう1つは、ローリエプレスがターゲットにしている10代20代の女性の多くが、アプリで情報収集する傾向にあると、自分達が主催するリアルイベントを通して分かったんです。
実際に、ユーザーから「まだアプリ出てないんですか?」「アプリならもっと使いやすいのに」といった声をよく頂いていました。
市場の変化やユーザーの反応を得るうちに、アプリを出すことにメリットがあるなと発見がありましたね。メディア側として、アプリの方がユーザーと密な関係が構築できるのではないかとの想いが生まれました。
▲『LAURIER PRESS』のディレクター:古川 慧 氏(エキサイト株式会社)
Webの場合だと、どうしてもSEO重視な見せ方になってしまうのに対し、アプリならメディアの持つ世界観を自由に表現することができます。
実際に、Web版とアプリ版ではUIが全く異なります。アプリ版はあえてインスタっぽく作りました。画面設計をインスタに寄せた理由としては、ローリエプレスのターゲット層が、画像で意思決定をする女性が多い世代だったからですね。最近の若い女性は、何かを買う、どこかへ行くという行動を画像を見て決めるというデータも出ているんですよ。
▲ランキングページ、左がWeb版。右のアプリ版では写真が大きくなっている。
▲検索ページ、左がWeb版。アプリ版ではまるでInstagramをイメージさせるような画面設計。
iOSアプリはリリース後1ヶ月で14万ダウンロードを達成しました。たくさんのプロモーション費用をかけたからではないかと思われるんですが、そうではなく、リリース直後にアプリストアのランキングの上位に入ったことが一番の理由だと考えています。
ではどうやってランキング上位に入れたのか。それは、初期段階で良質なユーザーを多く集められたからです。それが結果として数字に繋がったと思います。良質なユーザーを獲得するために行ったこととしては3つ。
まず1つは、ターゲットを細かく絞った広告プロモーション。最初からマスを取りに行く大々的な手法ではなく、Twitter、Facebook、InstagramなどSNS系を中心にローリエプレスの世界観が好きそうな女性に的を絞って、細かくチューニングしました。
これをやったことで、ダウンロード直後にアプリをアンインストールされることなく、アプリに良い評価を付けてくれるユーザーを獲得することができました。
2つめは、既にWebを利用してくれていたロイヤルユーザーの方を、いち早くアプリに移ってもらえるよう取り組みました。元々ローリエプレスを使ってくれている人達なので、Web上でアプリのメリットを積極的にアピールしました。
3つめはローリエプレスで連載しているインフルエンサーさん達による影響。自分のコラムを読んでもらいたいとの想いから、自発的にアプリの宣伝をしてくれたことで、ローリエプレスのファンだけでなく、それぞれのインフルエンサーさんに付いていたファンが自然とアプリをダウンロードしてくれました。
こうして集めた良質なユーザーに、いかに長くアプリを使ってもらえるかが次の課題でした。具体的に何をすればいいのか、コンテンツの質や量も当然欠かせないのですが、今回は機能面からの改善を考えました。
機能追加をする場合は大抵、データを集めて仮説を立てながら判断をするのですが、このアプリをリリースした当初は解析ツールを導入していなかったので、自社が運営している別のニュースアプリ(エキサイトニュース)を参考にしました。
維持率の高いユーザーの特徴を分析したところ、クリップ機能を使う人だったことが分かったんです。アプリに「クリップ機能」を導入した結果、利用維持率は28%から36%(※)に向上しました。
※データに誤りがございました為、訂正してお詫びいたします。(2017/6/28 18:55)
▲今年3月に追加された「クリップ(お気に入り)」機能。
今回、参加してきたイベント「Growth Hack Talks」は、アプリ開発に関わる人達が、自分達の持つ課題解決や改善のノウハウを共有する場所です。
実際にどういうことをやったら効果があったのか、何が失敗だったのか、ユーザーさんの反応はどうだったのかなど、普段はなかなか聞けない、アプリ開発の裏側を知ることができる貴重なイベントでした。
今後も定期的に開催しているそうなので、アプリ開発者さんをはじめ、マーケティング、サービスの運営に関わりながら、改善のヒントを探している方は足を運んでみてください。
イベント情報はこちらからご確認いただけます。
【関連記事】
原宿系カメラアプリ5本。ゆめかわいいスタンプ&フィルターでめちゃおしゃれ
テレビ局がネット時代にできることは? フジのニュースメディア『ホウドウキョク』はなぜ生まれたのか
モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告...(続きを読む)
2021年6月3日、TikTok For BusinessとSocial Game Infoによる共催セミナーが開催。本...(続きを読む)
AppsFlyerによるウェビナー「話題のSKAdNetwork徹底解説」が2月24日に開催されました。ATTフレームワ...(続きを読む)