[イベントレポート] ABEMAとFODが語るCTV市場のトレンドとCTV広告の可能性(Adjust)
モバイルマーケティング分析プラットフォームのadjust株式会社が、2022年6月23日にコネクテッドTV(CTV)広告...(続きを読む)
2017年9月7日、アプリ計測用ツールを提供する「Adjust」とモバイル広告会社「AppLift」が、モバイルマーケティングの最新技術や未来に関する無料セミナー『The Future Of Mobile Marketing』を開催した。
ゲストスピーカーとして、グローバルに活躍している株式会社メルカリ、スマホゲーム「にゃんこ大戦争」で知られるポノス株式会社のマーケティング担当者を迎え、各社のオーディエンスデータの活用法についても語られた。
▲左からAdjust 佐々直紀 氏、メルカリ 市来良太 氏、ポノス 高橋啓太 氏、AppLift 黒上洋甫 氏、AppLift 藤田祐輔 氏。
目次
Adjustのツールで獲得したデータをもとに何をしているのか、できるのかを解説。AppLift 黒上氏、藤田氏は、以下3つの事例を解説した。
AppLiftではLTV(Life Time Value・顧客生涯価値)データを活用し、ただユーザーを獲得するだけでなく、その後のリテンション、課金など、様々な目標を設けて広告を運用。
こちらがセミナーで公開された実例。藤田氏いわく、ただのメディア運用だけでなく、一歩進んだ運用を行ったとのこと。
目標は7日間でROAS(Return On Advertising Spend・広告費の回収率)100%と定めて配信。始めは固定CPI広告を展開し、ひとまずの目標は達成したが、インストールは伸び悩んでいた。
そこにAppLiftのソリューションとして「dCPI」を導入。「dCPI」は目標に対して結果の良かったメディアには見合ったCPIを返し、悪いメディアにはCPIを下げるという、動的な設定の広告キャンペーン。
その結果、一時的にROASは下がったもののインストールが1.5倍ほど上昇し、最終的にはROASもついてきた。
広告の表示回数・クリック数を不正に計上する「Ad Fraud」への対策にも、AppLiftは力を入れている。
セミナー内では、自動リディレクション、広告スタッキング、クリックスタッフィング、クリックインジェクション、4種類のFraudの違いを解説。
▲各Fraudに対して、調査指標となる項目。
それぞれのFraudに対し、CITI(クリックからインストールまでの時間)、インストール時間分布、CVRなどを指標に不正を検出し、健全性を保っている。
しかし、これらの調査はあくまで”事後対応”。事前対応のために行っているのが、Adjustとのデータ連携である。どういった理由でインストールされなかったのかを常にチェックし、メディアの健全性を精査している。
また、トラッキングツール固有の定義ではなく、自ら項目を定義してFraudをブロックしたいという要望に応え、自由に設定が可能なAppLift独自のプロダクト『FraudBuster』もベータロンチされている。
AppLiftでは、Fraud対策についてまとめられたeBookを無料で配信中。詳しく知りたい方は、ぜひそちらを読んでみてほしい。
■モバイル広告Fraudとの戦い:次のバトルグラウンド
http://insights.applift.com/mobile-fraud-ebook-ja/
AppLiftのDSP広告(Demand-Side Platform・広告主のためのプラットフォーム)は、Adjustと連携して配信が可能。
例えばAdjustのオーディエンスビルダーによるセグメントの分析をもとに、ユーザーを動的に追加・排除していくことができる。これはAppLiftとAdjustがパートナーとなっているからできることだと藤田氏は説明する。
次にAdjustの佐々氏が登壇。マーケティングにおいてデータは土台となる非常に重要なものと前置きし、その土台を揺るがすFraud(不正)と対策法について語った。
最初に紹介したのは、不正を防止するための3つのシステム。
▲広告のクリックからインストールまでの経過時間を統計的に分析し、異常な値を検知する。
▲同じトラッカー等からの多すぎるクリックを除外。
▲ユーザーが通常辿らない、不自然なIPからのインストールを除外。
システムを使って不正を検知しても、一般的な不正防止ソリューションは詐欺が発生した後にレポートするのみである。
しかし、Adjustの場合は機能をアクティブ化すると即座に不正を遮断するため、すぐに効果を得ることができるという。
また、導入後は不正として除外されたインストールのログデータを媒体に送り、原因を突き止め最適化に活かすことができる。媒体によっては正常なインストールのデータを受け取ることで自動最適化がなされるケースもあり、広告主のキャンペーンのパフォーマンスを上げる事ができる。
Adjustは「アプリ内不正購入」にも力を入れている。
Adjustの調査では不正購入が、iOSで30%、Androidでは96%も発生しているという。
▲左:通常の購入フロー。右:不正購入。
通常の購入フローではアプリからストアへ購入リクエストが送られ、ストアから購入レシートがアプリに返される。
不正購入が行われる場合は、購入リクエストがストアへ送られることなく、偽のレシートを返す手法が取られている。
これを防ぐために、Adjustがサーバの間に入って全ての購入レシートをチェック。実際に支払いが処理されているかをチェックし、不正購入を防いでいる。
不正購入の防止を行うことは、課金アイテムなどの不正入手を防ぐだけでなく、ROASやLTVといった重要なKPIの正確性や、アプリ運営(ゲームバランスなど)の健全性を維持することに繋がると佐々氏は語る。
ユーザー個別へのメッセージは心を動かすための重要な手法だが、ユーザー毎に完璧なカスタマイズをするのはリソース上困難である。
佐々氏いわく「重要なのは緻密さとインパクトのバランス」。そのためには、セグメントによる適度な量のグループ作成と、ABテストによるROI最大化を図る環境が不可欠だと語る。
そのためのツールが、Adjustが提供する「オーディエンスビルダー」。デバイス、インストール日、最終セッション、課金額など、様々な条件を自由にかけ合わせてユーザーを絞り込むことが可能である。全体配信だけでは行えないような、施策の幅が大きく広がるという。
セミナーの後半では、メルカリ株式会社 市来良太 氏、ポノス株式会社 高橋啓太 氏を招き、パネルディスカッションを実施。
メインテーマは「Brush up Audience and Maximize Performance」。ディベロッパーがパフォーマンスを最大化するために何をしているのかについて語られた。
メルカリ 市来氏は、フリマアプリ『メルカリ』のオーディエンスデータ活用方法を紹介。
1日に100万品以上が出品される、利用率No.1のフリマアプリ。海外へ向けてグローバルな展開も行っている。
オーディエンスデータの活用方法としては大きく3つあり、1つ目はインストール済みユーザを広告対象から外す「除外」、2つ目はオーディエンスデータと”似たユーザ”に広告を配信する「Look a like配信」、3つ目はFacebookとのデータ連携による「デモグラ・趣味嗜好の確認」に使っているという。
次に、ポノス 高橋氏は『にゃんこ大戦争』における活用法を解説。
3,200万ダウンロードの大ヒット。ポノス株式会社が放つ、にゃんこ育成タワーディフェンスゲーム。
ここで重点的に語られたのは「休眠復帰」に対する使い方。
リリースから4年経過している本ゲームには休眠ユーザーが多く、今の『にゃんこ大戦争』は昔と全然違うことをアピールしたかったという。
ポノスでは運用型広告の出稿については代理店を通さず、自社で広告を作成して各媒体へ依頼している。そのため臨機応変に動くことができ、様々なクリエイティブを出し、ユーザーの反応を観察。
ゲーム内のイベントはユーザーのモチベーションに直結しており、イベントに合わせてしっかりアピールすると、ROASは上がっていったと語る。
ポノス 高橋氏は『にゃんこ大戦争』以外の、今後出てくるタイトルに対して活用していきたいという。
ポノスでは『にゃんこ大戦争』だけを遊んでいるユーザーではなく、今後リリースされる自社のタイトルを複数プレイしてくれるユーザーを増やしたいと考えている。自社の他タイトルもプレイしてもらえるような広告配信やプッシュ通知の施策を展開していきたいと語る。しかし、そのためにはプライバシーポリシー面などの確認すべき事項もあるともこぼしていた。
一方、メルカリ 市来氏は情報量の多い「動画広告」について言及。これまではテレビCMをWEB広告用に編集したものを配信してきたが、今後は女性向け・独身者・既婚者……などセグメントごとに適した動画を配信していきたいと語った。
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