【2021年4月時点】iOS14についてアプリマーケターが知っておくべきこと【SKAdNetwork】
モバイル広告に大きな影響を与えるiOS14のアップデート。今回のiOS14.5へのアップデートに伴い、 2021年4月2...(続きを読む)
Appleが毎年恒例の世界開発者会議「WWDC 2022」を開催しました。2020年のWWDCでIDFA(Identifier for Advertisers)のオプトイン化が発表され、2021年4月26日にiOS 14.5がリリース。ユーザープライバシー保護を目的としたATT(App Tracking Transparency)導入により、IDFAの取得が制限され、IDFAの利用を前提にした広告配信ができなくなりました。
デジタル広告の「計測」と「配信」両方に影響をもたらし、業界全体がその対応策や広告の在り方について議論を続けているなか迎えた今年のWWDC。多くの関係者が注目していた、iOSのプライバシーに関する発表情報についてご紹介します。
IDFA問題に関するこれまでの記事
目次
業界関係者の間では、WWDC2022でAppleがフィンガープリントの取り締まりに関して新たな発表を行うのではないかと注目が集まっていましたが、結論として Appleからフィンガープリントの規制に関する言及はありませんでした 。
もともとIDFAマッチングで広告IDが取得できないケースの代替策として活用されてきたフィンガープリント計測に関して、昨年4月時点でAppleは明確に禁止しています。
個別のユーザーを識別する意図でデバイスや使用状況に関するデータを収集することやフィンガープリンティングは、引き続きApple Developer Program使用許諾契約違反となります。
AppTrackingTransparencyの要件への対応について(Appleニュースリリース)
ユーザーのプライバシー保護を目的とする方針により、Appleが新たな計測手法として提供している「SKAdNetwork」においても同様に、フィンガープリントの使用を禁止する記載があります。
SKAdNetworkをフィンガープリントと組み合わせて使用することはできますか?
– Apple Developer Program使用許諾契約に則り、個別のデバイスを特定する目的でデバイスからデータを取得することは許容されません。ユーザーやデバイスのデータには、ユーザーのWebブラウザのプロパティと設定、ユーザーのデバイスとその設定、ユーザーの位置情報、ユーザーのネットワーク接続情報が含まれますが、これらに限定されません。このような行為に関与していることが明らかになったSDK(広告ネットワーク、アトリビューションサービス、アナリティクスが含まれるが、これらに限定されない)を参照しているAppは、App Storeから却下されます。
ユーザーのプライバシーとデータの使用(Apple)
このように、既にAppleはプライバシーポリシーにおいてフィンガープリントを禁止していますが、多くの関係者が予想していた取り締まりに関して現時点でAppleは何も発表していません。
なお、10日に公開されたセッションにおいても、フィンガープリントはATTガイドラインに違反するものだと説明されています。
ExploreAppTrackingTransparency
https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2022/10166/
6月8日に公開されたセッションにおいて発表されたのは、SKAdNetworkのアップデートに関する情報です。リリースは2022年後半を予定しているとのこと。SKAdNetworkがiOS16よりも先に利用可能になるのかについては現時点で明らかにされていません。
今回の発表で、SKAdNetwork4.0ではWeb広告に対応することが判明しました。SKAdNetworkはこれまでウェブメディアの計測は不可能でしたが、今年後半に対応が予定されています。
SKAdNetwork 4.0ではウェブページに表示される広告にも適用
Safariにのみ適用されるのかは不明
※iOS14.5以降提供されているPrivate Click Measurement(PCM)については下記ページ参照
Attributing ads with SKAdNetwork and Private Click Measurement(Apple)
最大3つのポストバックを受信できるようになる(①0~2日、②3~7日、③8~35日)
ただし、②③がポストバックされるのはプライバシーの閾値を満たした場合のみ
上記発表内容はこちらからご覧いただけます。
What’s new with SKAdNetwork
今回のWWDCでは、これまでSKAdnNetworkで対応されていなかったWeb媒体経由のアプリインストール(Web To App)のアトリビューション計測機能が発表されました。
AppleがFingerPrintに対する規制強化の前に、Web To App計測ソリューションの提供を決めたことは、多くのアプリ広告関係者が望んでいたことであり市場への影響も考えての打ち手であったと推察されます。
これでAppleはスマートフォン市場およびアプリ市場において競合であるGoogleと同じく、ユーザープライバシーに配慮した自社計測ソリューションを担うことになりますが、プライバシーの観点からお互いの情報を開示できないとなるとプラットフォーム間のクロストラッキングは更に難しくなる可能性もあります。またサードパーティの計測プロバイダーが今後どのようになっていくのか引き続きウォッチしていきたいと思います。
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