SKAdNetwork対応のためにアプリ事業者がやるべきこと

SKAdNetwork対応のためにアプリ事業者がやるべきこと

2020年9月にリリースされたiOS14。様々なアップデートの中で、アプリビジネス従事者にもっとも大きな衝撃を与えたのがIDFAのオプトイン化に関わる問題でした。IDFAのオプトイン化の影響は多岐にわたり、アプリ事業者・広告ネットワーク事業者・メディア事業者それぞれが早急に対応する必要があります。

APP BRAINでは、これから過渡期を迎えるアプリマーケティングの変容に焦点をあて、皆様のビジネスに役立つコラムをお届けしてまいります。第2回からは ①広告主となるアプリ事業者、②アドネットワーク事業者の視点に分け、それぞれが今後取るべき対応についてご紹介していきます。

IDFA問題とは?

簡潔に言えば「iOSアプリで、今までのように広告のデータが取れなくなる」という問題です。

関連記事:IDFA問題で変わるアプリマーケティングと今後の予測(APP BRAIN)

2020年9月16日(日本時間では9月17日)にリリースされたiOS14では、ユーザーが許可していない場合はIDFAが取得できない仕様となり、2021年初頭から実装が始まるとされています。

ユーザーのプライバシーとデータの使用について(Apple)

https://developer.apple.com/jp/app-store/user-privacy-and-data-use/

SKAdNetworkとは?

SKAdNetworkとは、Appleが提供している「IDFAを使わずにiOSでの広告のデータを測定する仕組み」です。2018年に導入され、今回のiOS14のIDFA問題にあわせてバージョン2.0にアップグレードされることが発表されています。

iOS14普及以降でも、現在Fingerprint計測できている場合、そのコンバージョンの80%以上を引き続きトラッキングできると考えられており、現在各社が対応を急いでいます。

SKAdnetworkの仕組みイメージ図

Apple_SKAd_appbrain

画像引用元:SKAdNetwork | Apple Developer Documentation

SKAdnetworkに関する重要なポイント

  1. 取得できるデータが限定的

    SKAdNetworkで取得できるデータは、アプリID、ネットワークごとの広告クリック、ラストクリックでのインストールのみと考えられています。

    ユーザーのデータは取得できず、またアプリ側で保有しているユーザー行動データとの紐付けもできない可能性が高いと思われます。

    さらに、ラストクリックでのデータとなるため、ビュースルーコンバージョンや広告のクリックスルーコンバージョンといったデータも確認することができません。

  2. レポートに最短でも24時間の遅れが出る

    SKAdNetworkでは、ユーザーを特定させないために、コンバージョンした時間帯を特定できない仕様が取られています。

    SKAdNetworkでは、ユーザーが最終コンバージョンを達成してから24〜48時間以内にデータが計上される仕組みになっています。どの時間に計上されるかはユーザーによってランダムになっており、24時間のケースもあれば48時間となるケースもあります。

    また、タイマーは「最終コンバージョン」から計測されるため、アプリの初回起動・初回の課金など複数のコンバージョンを設定している場合は、「初回コンバージョン」からかなりの時間が経過しない限り、データが計上されないケースが発生します。

  3. キャンペーンIDの上限が100個まで

    SKAdNetworkでは、キャンペーンIDが1媒体につき100までしか設定できません。現状では地域やデバイスの種類、クリエイティブなどがこのキャンペーンIDに紐付けられると公表されており、1日1回SKAdneworkとアドネットワーク側で照会するとされています。

    つまりターゲティングを細かく設定したい場合でも、1つのアドネットワークにつき、同時に最大で100通りまでしかターゲティングを分析することができないことになります。

    例えば、ターゲティングやクリエイティブのパターンが多く、組み合わせが多数となる場合はそのためのパラメーターが作成できず、正確なトラッキングができない可能性があります。

SKAdNetwork対応するために行うこと

広告主となるアプリ事業者が、SKAdNetworkを使用するためにするべきことは2点です。

  1. registerAppForAdNetworkAttribution関数を実装する
  2. 自社が使っているSDKがSKAdNetworkに対応しているか確認する

1.registerAppForAdNetworkAttribution関数を実装する

アプリ事業者の場合、SKAdNetworkの対応は自社ではなく、使用している外部のSDKが行うケースが大半になると思われます。

ただし、外部SDKが対応するケースでも、初回起動時にregisterAppForAdNetworkAttribution関数を呼び出す実装は、自社で行う必要があります。

参考:Apple開発者向けサイト(英語)https://developer.apple.com/documentation/storekit/skadnetwork/2943654-registerappforadnetworkattributi

2.自社が使っているSDKがSKAdNetworkに対応しているか確認する

Adjust、AppFlyerなど、自社で使用しているSDKがSKAdNetworkを各公式サイトで確認しましょう。

AppsFlyer: SKAdNetworkソリューションガイド (iOS 14)

Adjust: iOS14向け Adjustの最新 iOS SDKについて

また、対応している場合でも、自社のバージョンが古いものの場合は対応できないケースがあります。必要に応じてアップデートを行いましょう。すでに大半のMMPはSKAdnetworkに対応しており、今までの機能に加えてSKAdnetworkが利用できるようになると考えて問題ありません。

しかしSKAdnetworkのデータは、すべてMMPと連携できるわけではありません。例えば、AdjustはSKAdNetworkで計測したデータは、MMPのSDKで計測したアプリ内イベントと紐付けることはできないとしています。他のMMPも類似の対応になると考えられるため、インストール数や、インストールに至った広告のクリック数等のデータのみしか確認できないという想定での対応が求められます。

最後に

SKAdNetworkはIDFA問題の解決策のひとつではありますが、万全なものとは言えません。フィンガープリント計測やアトリビューションハッシュなど、その他複数のトラッキング方法と合わせて導入を検討することをおすすめします。

また、導入する際は実装面や機能面の確認だけでなく、KPIの再設定や今後のレポートをどうするか、Androidアプリとの比較をどうするかといった運用上の確認もあわせて行うことをおすすめいたします。

IDFA問題は、広告主となるアプリ事業者だけでなく、代理店や広告媒体といった各パートナーとの連携が必要不可欠です。自社のトラッキング状況や社内での対応策を共有し、常に最新情報を把握する体制づくりも必要となってきます。アプリマーケティングの新たな王道パターンが確立されるまでは試行錯誤の時期が続きますが、ナイルでは引き続き、アプリビジネス従事者の方々に役立つ情報を発信していきます。

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