Phybbitに聞く、「アドフラウド」の実態とその対策方法【前編】

Phybbitに聞く、「アドフラウド」の実態とその対策方法【前編】

Phybbit(フィビット)が提供するアドフラウド対策ツール「SpiderAF」はAIを搭載し、運用担当者なら誰でも簡単にアドフラウド対策を行うことが可能です。世界最高水準の認証機関TAGの不正防止部門にてアジア初のベンダーとして認証を取得しており、広告主やアドネットワーク事業者、代理店で広く導入されています。

今回はPhybbitさんに、「アドフラウド」によって広告主が受ける被害とその対策の重要性についてお話頂きました。広告運用を始めたばかりの方でも分かりやすい内容になっているので必見です。

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Phybbitの佐藤さん(左)、橋本さん(右)

 

アドフラウドとは何か?

佐藤さん:まず、広告に関する問題としてよく挙げられるのが、ブランドセーフティ、ビューアビリティ、アドフラウドの3つです。アドフラウド以外は、日頃皆さんがユーザーとして広告を目にする立場で考えると比較的イメージがつきやすいかと思うのですが、アドフラウドの場合、誰がどうやって何を目的にやっているのかが分かりずらく、問題として認識しづらい方が結構多くいる気がします。

そもそも、アドフラウドとは反社組織やハッカーなどがお金稼ぎの為に行っている犯罪です。比較的労力やリスクが少なく他と比べて高い報酬が得られることから規模がどんどん拡大しており、近年アプリ事業者にとって深刻な問題となっています。世界広告主連盟、WFA(World Federation of Advertisers) の報告によるとアドフラウドは、2025年までにおよそ500億ドル(約5兆4,188億円)に増加するだろうと予測されていて、この金額は不正事業者にとって麻薬に次ぐ資金源にあたります(詳細はこちら

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アドフラウドの定義について、不正の手口は3つある

佐藤さん:不正は大きく2つの種類に分けることができ、1つは「本来、ユーザーに届けるため使われた広告費による成果を、人でないものが偽装し、あたかも人がインストールしたかのようにその成果を奪う」もの。もう1つは、「オーガニック(自然流入)と言われる、広告以外をきっかけに人がインストールしたものを、広告に紐づけて成果を横取りする」ものがあります。

特に後者の方は、アプリをインストールしているのはちゃんとしたユーザーなので、不正だと気が付きにくくとても厄介なパターンです。例えば、テレビCMを見てインストールしたユーザーの場合、本来であれば広告費が発生せず獲得できてるはずですよね?元々、お店に自ら入ろうとしていたお客さんを、客引きの人がお店の前で捕まえて「僕が連れてきました」と言っているようなものなんです。

ーとても分かりやすい例えですね。具体的にはどういう手法で不正が行われているんでしょうか?

橋本さん:アドフラウドは、不正な手法で広告の表示やクリック、インストールをかすめり広告費を搾取する広告詐欺と呼ばれていて、アプリインストールの領域で起こる不正は大きく3つに分けることができます

 

【アドフラウドの種類】

 ファーム

システム化されたボットやオペレーターが、大量に広告の表示やクリック、成果を繰り返し、広告報酬を不正に稼ぐ手法。最近ではアプリ広告におけるリテンションやアプリ内課金も偽装してくるケースもある。

 

 フローディング(クリック洪水)

実際に表示・クリックしてない広告を表示・クリックしたように偽装する行為。ハイジャックと少し似ていて、端末から偽の情報(クリックした)をSDKに先に送りつけ、ユーザーがあるサイトやアプリにアクセスした際に、広告を見たりクリックしたつもりが一切なくても、その成果を広告経由に紐づけてしまう。

 

 SDKスプーフィング

広告効果計測SDKでクリック、インストール、イベントの偽物の通知を受け取ってしまい、偽装された成果をカウントさせる手法。上記の通知はモバイルデバイスから計測SDKに通知が行くため、その通信内容を解析して偽装することで実際の端末や実際のイベントが無くても通知データさえ生成できれば成果を創り出すことが出来ます。これは計測SDKがオープンソース、クローズドソースいずれであっても発生します。


佐藤さん:
「ファーム」は不正業者の所有する端末から行われますが、「フローディング」に関しては、一般ユーザーの端末から発生するアドフラウドになります。

ー日本国内で特に被害が多いフラウドはどれになりますか?

佐藤さん:今最も多いと言われているのは「ファーム」ですね。なぜなら、人でないものが偽装したインストールなので、オーガニックでの流入を奪うやり方の「フローディング」に比べて非常にボリュームが多いです。

ただ、最近では「SDKスプーフィング」の不正が急増しており、SpiderAFで検知できるよう対応しました。その結果、とある広告主でアドフラウを解析した結果SDKスプーフィングが一番多いという結果が出ました。

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▲SpiderAFでの検知例(「アドフラウド調査レポート」より)

 

 

後編(4月14日公開予定)では、引き続き、アドフラウドが広告主にもたらす被害やこれからアドフラウド対策をはじめようと考えている方に向けたお話をお伺いします。

 

「SpiderAF」アドフラウド調査レポート(2020年1月)

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  • はじめに
  • SpiderAFについて
  • 定義
  • サマリー
  • アクセス元IPのリージョン分布 不正OS分布
  • クリックフローディング インストールハイジャック
  • ファーム
  • 新規デバイス率
  • SDKスプーフィングの検知例
  • おわりに
  • SBL MEMBERS

レポートのダウンロードはこちら 

今後のイベント・セミナー情報

リクルート社のアドフラウド対策をご紹介している「No more 不正!KPIを正しく評価し、よりパフォーマンスを上げる!」のウェビナーを公開しています。

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概要

去年から話題のアドフラウドですが、これがマーケティングのノイズになる事をご存知でしょうか?AppでもWebでも、パフォーマンスを指標にしているケースはとても多いと思います。 アドフラウドやユーザー不正と言った不正が混じっている場合、そのまま評価してしまっても良いのでしょうか?リクルート社での最新のマーケティング手法をご紹介します。

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