アプリマーケティング最新事例と未来を語る、AppLovin、AppsFlyer、Liftoffによるイベント「Amplify Connects~令和時代のアプリマーケティングについて考える~」

アプリマーケティング最新事例と未来を語る、AppLovin、AppsFlyer、Liftoffによるイベント「Amplify Connects~令和時代のアプリマーケティングについて考える~」

2019年5月16日にAppLovin、AppsFlyer、Liftoffによるアプリマーケティングイベント「Amplify Connects」が開催された。アプリマーケティングの未来をテーマに、業界の第一線で活躍するマーケターを迎え、各社の取り組みや2019年のアプリトレンド、今後のアプリ市場にどう向き合っていくかなど、様々なトピックについて語られた模様をレポートする。

Factfulness – 令和時代のデジタルマーケティングが向かう先とは

AppsFlyer Japanの大坪 直哉氏は、冒頭で『FACTFULNESS ファクトフルネス(著者ハンス・ロスリング)』について触れ、データをもとに世界を正しく見る重要性を参加者に伝えた。そして、「7つの事実」と共に、令和時代におけるマーケティングの方向性としてマーケターがどのように物事を見て捉えていくべきかなのか、次のように述べている。

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令和時代の課題「人口減少」から見えてくる5つのファクト

2008年の日本の人口は1億2,808万人、これが80年先の2100年には6,000万人を切ると言われている。人口が減少するということはアプリユーザー数も減少する。更にこの事実を元にブレイクダウンし、人口減少に伴い高齢者数(65歳以上)の割合が増えていくことに着目すると、高齢者マーケットの拡大がこれからのビジネスのヒントになり得る。次に少子化、生き方の多様化で婚姻率が低下し未婚者が増加傾向している。可処分時間の多い単身者はスマートフォンに触る時間も多いはず、ここも1つのマーケットとして注目していいだろう。

現在、日本のマーケットは縮小傾向にあり魅力が減少しているため、アクションとして海外マーケットを戦略的に展開していく必要がある。では成長を続けている地域はどこなのか、世界のモバイル広告支出額が最も早く伸びている国のTOP10を参考に見ていくと、中南米と東南アジアが非常に伸びていることが分かる。

最後に注目したいのは女性。出産後の仕事復帰率・雇用者数・給与総額は上昇を続け、消費性向としても男性より女性の方が可処分支出が高い。女性マーケットが大きく拡大しているので、今後も魅力的なマーケットと捉えることができる。

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デジタルマーケティングにおける2つのファクト

国内ユーザーの所得が上がらずマーケットが伸び悩む可能性のある状況の日本では、無駄なコストを減らし、リスクを回避することが求められてくる。日本・韓国ではひと月あたり約18億円が不正事業者に流出しており、その手法も様々で、ゲームジャンルにおける日本の不正の約35%はBotによる不正だと言われている。広告不正は漸減するも、被害額はいまだ大きく手法も多様化しているため、不正を排除するだけでなく正しいメディアソースを使えるよう対策を考えていく必要がある。

もう1つはカスタマージャーニーが複雑化。最近はマルチデバイス・マルチチャンネル化により、最適なユーザーリーチチャネルが不明確になっている。計測上オーガニックからの流入だと思われている40%が、実際には過去にどこかメディアに接触している可能性が高いブラインドスポットになっている為、包括的な人ベースの計測でムラをなくしていくことが理想的だ。

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令和時代を迎え、今まで以上にデータに基づいたマーケティングが必要。マーケターはデータが示す事実から、よりマクロな視点で今後のビジネス環境がどうなっていくのかを考え、将来設計をしていくことがスタンスとして求められてくるだろう。

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アプリマーケティングの未来について考える

第二部パネルディスカッションのゲストスピーカーは、中川 亮氏(株式会社AppBrew)、森下 明氏(株式会社ブシロード)、中川 祥一氏(JapanTaxi株式会社)、窪田 和順氏(株式会社サムザップ)。アプリ業界の第一線で活躍するマーケターである4名を迎え、天野 耕太氏(Liftoff)がMCを務めた。

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各社のマーケターが持つアプリマーケティングの考え方

―Japan Taxiさんではどのようにアプリマーケティングを行われていますか?

中川氏(Japan Taxi):我々JapanTaxi自体はタクシーを呼びたい方とタクシー会社をマッチングするプラットフォームですので、マーケティングは「マッチ数を最大化させる為の仕組みづくり」として捉えています。集客の部分でオンライン施策をやっていますが、オフラインの施策も活発にやっていますし、最近ではサービスレベルのアライアンス(他社アプリとの連携)も実施しています。マーケティングの領域はアプリ内にまで及ぶので、お客様に注文して頂くところから下車するまでの体験をいかに作っていくかを考えていますね。

―サムザップさんはゲームアプリなのでマネタイズは課金と広告になってくるかと思いますが、KPIはどのように設定していますか?

窪田氏:媒体ごとのLTVがどうなのかを1日後、3日後、30日後、90日後等置き、それがCPI・CPAと見合っているかを追っています。回収が難しそうなら切るし、キャンペーンの設計を変えたり、成果地点を変えたりすることで調整を行っています。

自分の考え方として、獲得広告周りを担当しているマーケターはゲームの中の分析もセットで行うべきだと思っているので、この媒体から獲ったユーザーがどういう行動をして、どういう課金に繋がったのかというところまで、媒体ごとに細かく追っていくことが重要だと考えています。

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どのくらいのサイクルで判断していますか?

窪田氏:ゲームによって異なります。最初に課金するまでに何日かかるのかゲームタイトル毎に平均値を出しておいて、判断に必要な期間を決めていますね。

これは皆さんにお伺いしたいのですが、現状メインとされている媒体は?

窪田氏:ここ最近の傾向としては、Google UAC、Twitter、Facebookあたりが大きくなっていますね。

中川氏(Japan Taxi):弊社も同じような状況です。タクシーアプリはシーズナリティの要素が強いので、LTVで考えるのが難しいんですが、現状はオフラインの施策成果も含め、横並びで比較しながら見ています。

森下氏:課金をメインとするアプリに関してはTwitter、Google UAC、Apple Search Ads などを使っています。広告でのマネタイズ部分だと、Facebook、AppLovin、Tapjoyなどです。

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森下氏:通常、CPIが想定LTVを下回る限り広告を打って広告費回収するかと思うのですが、弊社では将来のLTVがタイムリーに予測できていないタイトルも存在します。イベント毎に課金への影響度をランク付けして、ある程度売上を予測するモデルは持っているものの、デジタルで数字が可視化できる状況にも関わらず、最終的な意思決定がファジーになっている課題感があります。

アプリに特化している2社(AppBrewとサムザップ)さんは、データの可視化からアクションまで直結してるイメージがあるのですが、どうですか?

中川氏(AppBrew):弊社でも同じような課題がありますね。『LIPS』の場合、ゲームアプリとは違いユーザー課金を行っておらず、LTVは広告主様から頂く広告収益に依存します。なので弊社では、広告収益やユーザー数の増加をトラックしつつ、競合サービスの状況なども加味しながらLTVを逆算して、そこに合うように広告を踏む意思決定をしています。

また、CPI以外にも起動率やイベント発生率などを計測して広告運用にフィードバックするようにしています。より多くのユーザーに「インストールされる」だけでなく「プロダクトを使ってもらえる」よう、媒体ごとに細かく運用出来る体制を整えています。

窪田氏:新規アプリのリリースのタイミングだと非常に難しいかと思いますが、1~2年運用しているような既存タイトルであれば、ある程度予測できると考えています。

予測する為には、新規ユーザーが課金するまでにゲーム内でどういうアクションを起こしていたかというマジックナンバーを捕まえることが大切ですね。課金の成果地点によって学習のデータ量が溜まりにくい場合には、無料で使えるガチャのチケットをイベントとして設定することで改善できるパターンもあります。

ーAppBrewさんはアプリ内にどんなイベントを設定していますか?

中川氏(AppBrew):いいね、フォロー、投稿、コメント、クリップなど出来るだけ網羅的にイベント計測をしていますが、デジタルマーケの文脈では投稿回数や投稿率を重要指標に置いていますね。『LIPS』はCGMサービスなので、良質な投稿ユーザーを連れてくるために最適化させるというのをマーケティングのミッションとして持っています。弊社にとっていくつか有るマジックナンバーのひとつは「24時間以内の投稿率」でして、流入後1日以内にどれくらいのユーザーさんが投稿してくれるかが起動率の改善に繋がると発見しました。

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ーJapan Taxiさんはオフライン施策も積極的に実施されているとのことですが、アプリ内イベント設計は他社さんと違いますか?

中川氏(Japan Taxi):シーズナリティが強い分、期間で見るのは難しいので媒体さん側と相談しながらいろいろ試しています。「配車」に近いイベントから設定していくのですが、近ければ近いほど数が集まらないので、その手前の「クレジットカード登録」や「目的地までの料金検索」に変更してみたり。

昨年秋からインハウス化したことで、アップデート情報など外部からの情報がなかなか入ってこなくなるので、情報収集の一貫としてパートナー様とはコミュニケーションを取るようにしています。

各社の運用体制と「インハウス」における課題、マーケターに求めるスキルセットとは

ー「インハウス」という話題がでましたが、現在の運用体制について教えてください。

中川氏(AppBrew):弊社のマーケティングチームは2人で、予算でいうとインハウスの割合は半分を超えています。代理店とも連携しており、明確にミッションを分けています。インハウスのミッションとしては、プロダクトの数字を見ながら仮説検証を繰り返しいかに細かく広告運用にフィードバック出来るかを重視しております。

弊社マーケチームにおいて重宝されるスキルセットとしては、仮説検証と広告運用を自分で完結させられる人ですね。今のメンバーは1人が代理店出身で運用とクリエイティブ検証に強く、私は媒体出身で運用経験もありつつ、AppBrewでエンジニアとして実務経験も積んだのでプロダクトの数字を元に仮説を立てていく役割を担っています。

森下氏:運用に関しては私を含めて2人、製作リソースは社内の他部署から借りています。

現状ですと、インハウスに大きく踏み込むというよりも代理店に依頼したほうが、よりクオリティの高い広告配信ができるんじゃないかと考えております。ただし、今後の方針としてインハウス化を検討しているので、社内に人数を増やしていくことも視野に入れています。

中川氏(Japan Taxi):弊社のマーケティングチームは3つの機能があります。オンラインは、広告の戦略運用担当2名、動画・静止画デザイナー3名の5名体制。オフラインは2名、アプリのディレクションチームが3名、トータルで私含め11名の構成になります。

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窪田氏:弊社は自分が運用担当、データ分析が1名、デザイナー1名の3名でやっています。

課題としては、媒体のアップデート情報をしっかり追っていくということと、媒体やサードパーティー系計測ツールの仕様の理解ですね。担当者がそれを理解ができていないとそもそもインハウスの意味がなくなってしまうので、もし理解がないなら代理店にお任せするべきかなと思っています。

ー「クリエイターのモチベーション維持」や「ツールに対する理解」のほかに、インハウスでの課題はありますか?

森下氏:広告運用者のモチベーションの維持に関しても同じく難しさを感じます。社内には様々な形でマーケティングに関わるチームが存在するので、広告運用に集中することに対し、どうミッションを割り振っていくのか。これは人事にも絡んでくる課題かもしれません。

中川氏(Japan Taxi):組織的な課題でいうと採用の部分ですね。『LIPS』は女性向けのプロダクトであり、データが大事とは言いつつ数字には現れない定性的なインサイトをつかめるかも重要になるので、それを見極めてどうマーケティング施策に落としていくかが重要です。女性の間でも詳しい人と詳しくない人にばらつきがありますし、偏ってもいけないので両方を採用するようにしていますが、マーケ組織にとってサービスへの理解は重要だと考えています。

窪田氏:求める人材については、課題になっています。弊社では「広告・ゲーム・データ分析への理解」を掲げているのですが、その3つ全てが揃っている人はほぼ居ないと思っているので、そのうちどれか1つでも尖っている部分があれば、他をサポートしながら育成していく体制でやっています。

中川氏(Japan Taxi):あと、マネージャーとしてチームを見ていて思うのは、「既存をいかに最適化するか」が優先されるので、新しいチャレンジがなかなか出てこなくなる構造になりがちなのが課題の1つですね。

ー新規媒体への取り組みに関して、各社どのように行ってますか?

窪田氏:なるべく数多くチャレンジしていきたいと思っています。アップデート情報など社内で共有する場で新規媒体の話を聞いたら、とりあえず使ってみますね。悪かった良かったというのは後から判断する。

森下氏:新しい媒体の話は代理店からの提案や狭い業界なので信頼できるマーケターから情報収集していると入ってくるんですが、媒体として怪しくないか、例えば配信先を開示しているか?であったり配信先を開示できない場合のsiteIDは返してくれるか?ViewとClickをそもそもSDK側に返せるか?ViewとClickの定義はどのような定義か?等の一定の判断基準を満たしていれば積極的にトライします

中川氏(Japan Taxi):媒体に限った話でなく、ターゲットの見直しからチャネル戦略を立て直すようなことも定期的に行っていますね。

 

ー本日はありがとうございました。

パネルセッションの後半では参加者から寄せられた質問をベースに、具体的な施策に関する話題やアドフラウド対策、登壇企業4社がいま取り組んでいるアプリマーケティングの最新事例などが語られた。

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AppLovin、AppsFlyer、Liftoffでは、今後もアプリビジネスに関するノウハウが学べるイベントの開催を予定。(詳細は各社Webサイトにて)

・AppLovin

 AppLovinブログではモバイル業界の最新トレンドやお客様の成功事例をご紹介しています。ぜひご覧ください!

・AppsFlyer

「敏腕マーケターが語る、広告不正への向き合い方」という題名で6月26日(水)、WeWork GINZA SIXにて、Bushiroadの森下様、Gunosyの石渡様、アプリボットの三浦様のトップマーケターの皆様をお迎えし広告不正の真髄についてじっくりと語っていただきます。アプリマーケターの皆様を対象としたイベントとなっております。ぜひこぞってご参加のほどお願いします!

 https://clientdrivenadfraudevent.splashthat.com/

・Liftoff

 https://liftoff.io/ja/

 

 

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