ポノス「カジュアルゲーム×マーケティング」からみるハイパーカジュアルゲーム参入の先に見据えるもの
2019年10月、ポノス株式会社がハイパーカジュアルゲーム市場に参入したことを発表。ポノスと聞いて、『にゃんこ大戦争』を...(続きを読む)
ホラーゲームって、どんなふうに作られるものなのか気になりませんか? 『無影灯』『Panic Ship』『友引道路』『無怨』『プレイルーム』……数々の人気ホラーゲームアプリを手掛けてきたザイザックス社にインタビューを行い、作品ができ上がるまでの裏側を見せてもらいました。
▲今回話を伺ったのは、ゲーム開発事業部の統括マネージャー・古村さん。
目次
これまでホラー以外のゲームを作ってきましたが、何ヶ月もかけて作ったものがダウンロード数1000や2000などで大きな結果が出ていませんでした。
そんな中、ゲーム実況動画でホラーや恋愛ゲーが人気を博していることに注目し、私自身ホラーや脱出ゲームをよく遊んでいたこともあって「ホラーを作ってみよう」ということになりました。
大手企業のように広告宣伝できないので、なるべく資金をかけずに広まってほしいなと。有名な実況者に取り上げられると何百万という人々に知って頂けるので、実況映えするジャンルを選んだということですね。
はい。それこそApplivさんなどのメディアに掲載依頼を出すなど、無料の範囲でやれることはやっていますが、広告宣伝費は0円です。
▲ホラー処女作の無影灯は、当初1万ダウンロードされればいいなと思っていたそう。実際にはシリーズ3作で80万ダウンロードを超える大ヒット。
そこまでいくとは思っていなかったので、ゲーム内で使われているキャラクター名が弊社スタッフの名前そのまんまだったりするんですよ。私も、ある作品に男の子の患者として登場しています(笑)
最初は私が謎解きやストーリー構成を考え、プログラマーが1人、デザイナーが4人の計6人、5〜6ヶ月ほどの期間で製作しました。
開発の流れは、まずゲームの世界観を決めます。「病院でのホラーにしよう」と決めたら、なぜ心霊現象が起きるのか設定・ストーリーを考えます。次に病院の間取り決め。本当は小さな病院に地下霊安室などなくても、「あったら怖そうだね」ということで取り入れています。
そして、プレイヤーがどんな順番で部屋を進み、どう謎を解いていくかというフローを考え、それからホラー要素を入れていきます。ホラーゲーム開発経験者がいたわけではなく、手探りで試行錯誤しながら作っていきました。
ほぼ全て自前で作っています。例えば女の霊は、弊社女性スタッフの顔写真を撮って血を流すなどの加工を施しています。加工前の顔写真は、とても一般公開できるような表情ではありません(笑)
うめき声だって自前です。私が早朝に出社して雑音になるエアコンを切り、iPhoneのレコーダーに録音したものにエコーをかけるなどしてそれっぽく仕上げるんです。録るときは笑いをこらえるのが大変でしたよ(笑)
▲貴婦人の霊を作るにあたって、貸衣装屋でこの豪華な服を借りて撮影した。
▲車に乗っていたら足を掴まれるシーン。古村さんがご自身の車内で、見えやすいようハンドルを取り外して撮影。
① そこで来るかよ! という意外性
まず「いきなり出てくる」というのはホラーの王道なので外しません。加えて、無影灯の場合だと360度見渡せるので、後ろを振り返った瞬間に出るとか。逆に、いかにも出そうなところで何もなく、ホッと落ち着いた頃に出るとか。他にも、アイテム欄を開いたら出る、など意外な出し方をしています。
ユーザーのストレスにならないよう、「パズルを解いているときは出さない(集中の妨げにならないよう)」といった配慮もしました。
② アイテムを世界観に合わせる
普通の脱出ゲームで「ひもを切る」というアクションがあるとしたら、「ひもではなく髪の毛にしたら怖いんじゃないかな」と考えるなどアイテムに工夫しました。
1度使った髪の毛を別のシーンで再利用してみようと考え、人体模型を縫合するときに使わせてみたりもしましたね。「さっき髪を切るシーンでビビったのに、またこれかよ」という怖さがあるかなと(笑)
③ 恐怖ポイントをバランス良く配置
恐怖ポイントを挿入する地点にも気を遣っていて、バランス良く配置することで息をつかせないように意識しました。
Excelで簡易的な管理表を作り、「この部屋には恐怖が2つあるけど、あの部屋にはないから1つあっちに移そうか」などと調整しています。
確かにそれはあります。ホラーが苦手なスタッフに意見を聞くなどして調整しました。また、次回のゲームに関しては私は開発に参加しないことになったんです。デバッグの段階になって初めてプレイすることで、初見プレイヤーとしての新鮮な意見を出すためですね。
もちろん。朝出社したら、まずは仕事せずに実況動画を見ます(笑)それも仕事のうちなんですけどね。実況者が驚いているのを見ると「やった!」となります。
あとは、自分で実況動画を見ていると「ここに変な表記があるな」などと小さなバグに気づくことがあるので、次回のアップデートで修正するなどしています。
最新作の『The hole』はホラーではなく純粋な脱出ゲームですが、これは無影灯の「360度見渡せる」という特長を活かして作りました。これまでで成功したものに新たなコンテンツを加えて別のものにしていく、という方針で、より良いものを作っていこうと考えています。
これまでの作品の良いところを活かしつつ、異なる毛色の作品も積極的に手掛けているザイザックス社。
8月3日、新作『サクラタンテイブ』がリリースされました。「360度視点の脱出ホラー」という要素を残しつつ、ラノベのような今風のイラストが新鮮です。
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「6日間 続けて」という意味深なメッセージに込められた真意とは…!?」
ゲーム実況動画は自由に配信してOKとのことなので、実況者の方は夏を盛り上げる企画として取り上げてみてはいかがでしょうか。
今回はホラーゲーム制作全般に関するインタビューでしたが、1つ1つのアプリを紹介する「デベロッパー特集」記事も近日公開します。それぞれのゲームに対して、苦労したエピソードや恐怖ポイントなどをお教え頂きました。ぜひそちらの記事もお楽しみに!
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