ポノス「カジュアルゲーム×マーケティング」からみるハイパーカジュアルゲーム参入の先に見据えるもの
2019年10月、ポノス株式会社がハイパーカジュアルゲーム市場に参入したことを発表。ポノスと聞いて、『にゃんこ大戦争』を...(続きを読む)
専門家や著名人の解説コメントとともに読める経済ニュースプラットフォーム「NewsPicks」。会員数は200万人を超え、ビジネスパーソンならまず入れておきたいアプリのひとつです。
その「NewsPicks」が2017年7月から、フジテレビのニュースメディア「ホウドウキョク」と手を組み、経済ニュース番組『Live Picks(ライブピックス)』の配信を開始しました。
経済のプロと映像のプロが作るニュース番組とは、いったいどういうものなのか。今回はNewsPicks編集長 兼 Live Picksメインキャスター・佐々木 紀彦氏、ホウドウキョク プロジェクトリーダー・清水 俊宏氏にインタビューを実施。『Live Picks』制作に至った経緯から目指す将来のビジョンまで、番組作りの裏側を伺ってきました。
▲左からNewsPicks編集長・佐々木 紀彦氏、フジテレビ ニュースコンテンツプロジェクトリーダー・清水 俊宏氏。
目次
『NewsPicks』『ホウドウキョク』内で配信している経済ニュース番組。NewsPicks編集長・佐々木 紀彦氏がホストを務め、日替わりでゲストを呼び、経済の深い分析や最新テクノロジー紹介、ディベートなどを展開する。
始まったばかりにも関わらず、すでに毎回視聴者が1万人近くになるほど注目を集めている。
<放送日時>
毎週月曜〜木曜/22時00分〜22時30分の生放送(時間延長あり)
<出演>
佐々木紀彦(番組ホスト)
千代島瑞希・阿部知代(進行役)
厚切りジェイソン、落合陽一(週替わりコメンテーター)
NewsPicksプロピッカーなど
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佐々木:映像はずっとやりたいと思っていたのですが、難易度が高くて実現できずにいました。機材、人材、ディレクション、プロデュースなど、総合的に映像のプロの力が必要なんです。
清水:それで佐々木さんから「動画をやりたいんだけど、相談にのってくれない?」と話があって。僕も経済メディアを自分で作れるなら、ぜひやりたいから考えましょうというのがスタートでした。
その話があってから配信開始するまで、準備期間は2か月くらいでしたね。
佐々木:メインターゲットは「NewsPicks」と同じ30・40代のビジネスパーソンです。うちはテクノロジー関連の話題が人気なので、『Live Picks』でも落合陽一さん(※)が出演されている回などは人気ですね。
落合さんの話はかなり専門的なので、テレビで何百万人という人たちを前にすると、視聴者を退屈させる可能性があります。でも、Web上で特定の数万人に対して放送する場合であれば、聞きたい人達はたくさんいるんです。
※落合 陽一氏:筑波大学学長補佐、実業家、メディアアーティストなど様々な分野で活躍。「デジタルネイチャー」を提唱し、数々の研究を発表している。
佐々木:30・40代のビジネスパーソンが話を聞きたいと思う人を集めたら、自然とこうなりました。テクノロジー関連は若い方の方が有利な分野ですからね。
清水:テレビでは”ご意見番”といった60・70代の専門家の方が出演することが多いんです。でもWebでは、若くてちょっと尖っていて、賛否両論が出そうなくらいの人たちから話を聞こうと意識しています。そっちの方が面白いですから。
佐々木:誤解を恐れずに言うならば、メインターゲット以外に見てもらわなくてもいいんです。30・40代に特化して作って面白ければ、若い方々も50・60代も自然に見てくれるようになるはずですから。
清水:番組内容自体はドローンやVRなどの最新技術について扱っていて、20代がいずれビジネスの主力になったときに役立つ情報がたくさん詰まっていると思います。
最新技術の未来を考えている人たちが見ていて、そういう人になりたいから若い人たちも見る。そんな流れを『Live Picks』では作りたいです。
ただ、他の人たちは全く来なくてもいいかというと、もちろんそうではありません。例えば厚切りジェイソンさんみたいに、地上波によく出演されているような人選でマスに訴えかけることもやっています。
清水:ホウドウキョクのスタジオで、フジテレビの技術陣が撮影しています。
佐々木:スタッフはNewsPicksから5人、ホウドウキョクから5人、だいたい10人くらいです。
佐々木:経済は画になりづらいんです。だからニュースにしやすい話題を探したり、グラフや数値を入れて経済メディアっぽさを演出したりするようにしています。
清水:スマホならではの見せ方としては、動画をスクエアにしています。テレビは横長ですが、なかなかスマホを横にして動画を見てくれる人は少ないでよね。本当にこの両端はスマホで見せるときに必要なのかと考えてカットしました。今まで見えていた部分を消すのはなかなか勇気のいることなんですが。
また、テレビのようなインサート(※)過多な演出は控えています。
※インサートとは、景色やモノ、人物などのイメージ画像・映像をカットインさせる演出のこと。
▲スマホの縦画面の場合、テレビのような横長よりスクエア型の方が大きく表示できる。小さい文字も見やすい。
清水:テレビの番組表のように枠に捉われる必要がありませんからね。「はい時間です。面白い話になってきていますけど終わりです」となるのは、視聴者にとっても我々にとっても損だなと。
とは言っても、最大でも延長時間は15分くらいになると思いますが。さすがに終わった後に1時間延長となったら「おいおい」って感じですよね(笑)
番組の時間が30分くらいというのは、心理的に見やすいと思っているので。
清水:ネットはアルゴリズムで自分の好きなものだけが流れがちです。でも『Live Picks』内では様々な意見が自分の考えに関わらず提示されていて、こういう考え方もあるなと思ってもらえたら嬉しいなと。
佐々木:テレビは言わば基礎で、みんながわかるように作られた入門編。こちらは、そこからさらに深く学ぶことができる応用編です。
清水:出演者である佐々木さんや横で聞いている私は「今日も賢くなった」と、番組が終わったあとによく言っています(笑) 視聴者みんなで一緒に賢くなってもらいたいです。
佐々木:どうしてもお金がかかるので、どう工面するかで苦労しましたね(笑)
あとNewsPicksはユーザー参加型のメディアなので、参加しながらコンテンツとして楽しめるUI・UXのデザインにはこだわりました。コメントができるという体験も含めて『Live Picks』だと思っています。
コメントは今のところ毎回1000件ほど届いています。リアルタイムでは全て拾いきれませんが、帰りの電車の中で全部読んでいます。
ふとした意見は結構正しいことが多いので、それを毎日改善していけばすごい改善度になるはずです。やればやるほど番組が洗練されていくのではないかと思います。
▲NewsPicks有料会員は質問やコメントを書き込むことが可能。有料会員以外も画面下にある顔アイコンをタップして、番組内容への感想を送れる。
佐々木:あとは、月~木まで毎日やるのが大変ですかね(笑)
メインキャスターに関しては、私だけでなく今後いろんな人を出していきたいです。やっぱりずっと同じ人が出ているより、変化があった方がいいですからね。
佐々木:ビジネスやライフスタイルの話題をもっと扱っていきたいです。経済は話題をどんなものにでも拡張できるんです。経済メディアなので、ニュースの網羅性は非常に重要だと思っています。
清水:私はホウドウキョクの技術を使って中継に出たり、他の番組と連動させたりしたいですね。
佐々木:どこかの社長室から中継とか面白そうですね。
清水:外に出るとなると、普通なら中継車やスタッフなどが必要になり、ネット放送のコストに見合わないものになってきます。
ですが、そこはイノベーションの力でどうにかなると思っていて。iPad1台だけ持って中継に行く方が、画質や音質は落ちますがいち早く情報を届けることができます。ネットの視聴者には綺麗な映像であることよりも、ライブ性が求められているだろうと。
佐々木:社長や起業家などですね。評論家と呼ばれる人よりも、プレイヤーがいいです。
清水:地上波では安心感が求められるので、成功した有名な社長さんが出演されることが多いです。反面、ネットではまだ成功していない社長さんや、あまり知られていないけど尖っている専門家を取り上げられるのも面白いところです。
佐々木:Amazonに関するディベートコーナーをやったときは楽しかったです。
経済に関するディベートはテレビに限らず、会社の会議でもあまりされることはありません。そういう議論する文化を『Live Picks』を通じて広めていけたらいいですね。
Live Picks「Amazon 次の一手 予想される近未来」のアーカイブ
佐々木:目標地点はいろいろありますが、まずはちゃんと収益化できるモデルを作りたいです。ネット動画の番組モデルは、まだどこもマネタイズが成功していませんから。
そうするためには、より多くの方に視聴していただかなければいけません。でもテレビには数で勝てないので、こちらはエンゲージメントで意識していきたいなと。「今日も〇〇さんコメントくださりましたね」というぐらい、顔がギリギリ見えるような深い繋がりを作ることができれば、広告も入ると思いますし、課金もしてくださると考えています。
清水:「動画のニュースってこういうものだよね」というモデルを作りたいです。例えば一時期「ウォークマン」が携帯音楽プレイヤーを指す言葉のように使われていたように、動画メディアと言えば『Live Picks』が思い浮かぶくらいにしたいですね。
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