iOS14.5浸透率は1割未満、国内のATTオプトイン率は平均約31%(AppsFlyer調査)
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メルカリによる「2019年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動に関する意識調査」の結果が公開された。昨年調査と比べフリマアプリ利用者・非利用者ともに中古品への抵抗感、 新品へのこだわりが減少し、 循環型社会の形成に向け好意的な意識変化が見られているとのこと(レポートの詳細はこちら)。また、先月25日の発表会内で開催されたパネルディスカッション「フリマアプリがもたらす消費への影響」についても以下記載。
[以下プレスリリースより]
2019年5月16日に経済産業省が発表した「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、 フリマアプリの市場規模は6,392億円(前年4,835億円、 前年比32.2%増)に増加 しており、 3年連続で成長をしています。 同調査では、 フリマアプリ(二次流通)と新品市場(一次流通)の関係にも触れ、 両者は補完関係と捉えても不自然ではなく、 フリマアプリは「売ることを前提とした買い物」という新たな消費スタイルを確立しつつある 、 と言及されています。 (※1)
株式会社メルカリ(以下、 メルカリ)では、 慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授監修の下、 全国のフリマアプリ利用者と非利用者1,000名を対象に、 昨年4月に続き「2019年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動に関する意識調査」を実施しました(※2)。 調査の結果、 昨年調査と比べフリマアプリ利用者・非利用者ともに中古品への抵抗感、 新品へのこだわりが減少し、 循環型社会の形成に向け好意的な意識変化が見られました。
本調査結果をもとに、 このたびメルカリでは報道関係者さまを対象とした調査結果発表会を4月25日(木)に開催しました。
(左より:メルカリ 小泉、 慶應義塾大学 山本准教授、 三菱総研 宮川氏)
当日の調査発表会では、 第1部として慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授が、 「2019年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動に関する意識調査」に関する意識調査の結果報告を行いました。 山本准教授は「昨年調査と比較し、 中古品を活用する世代が拡がってきている。 フリマアプリ利用者・非利用者を問わず中古品への抵抗感が減少し、 新品にこだわらなくなっており、 循環型社会の加速にフリマアプリが貢献しているということが見て取れる。 」などとコメントしました。
第2部では「フリマアプリがもたらす消費への影響」というテーマで、 慶應義塾大学大学院経営管理研究科の山本晶准教授、 株式会社三菱総合研究所 シェアリングエフェクト研究チームリーダー 宮川貴光氏、 株式会社メルカリ取締役社長兼COO 小泉文明、 株式会社メルカリPRグループマネージャー 中澤理香によるパネルディスカッションを行いました。 山本准教授は、 フリマアプリ非利用者における「新品へのこだわり」が、 50代・60代で昨年比5.0%減少している結果に対し「初期は20~30代の女性がはじまり、 スマホへのリテラシーが上がってきていることで50代・60代にも拡がってきている。 人生の長さに比例しタンスの肥やしも多く、 潜在的にフリマアプリで売る在庫が多く実は相性がいい。 」とコメント。 宮川氏からは今年2月に発表したメルカリとの共同研究から導き出したフリマアプリ利用者の消費行動(SAUSE)(※3)に関する追加調査を発表。 フリマアプリでの売却後に71%が「商品・ブランドの評価が変化した経験ある」などの結果が紹介されました。 今回の調査を通じて、 小泉は「メルカリとしては、 AIなどの技術やリアルでの体験を通じて、 デジタルリテラシーが低くても使えるサービスを提供することで循環型社会を支えていきたい」とコメントしました。
※1 出典「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)
URL: https://www.meti.go.jp/press/2019/05/20190516002/20190516002.html を加工して作成
※2 2019年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動に関する意識調査
URL: https://about.mercari.com/press/news/article/20190425_consumersurvey/
※3 メルカリと三菱総合研究所によるシェアリングエコノミーに関する共同研究
URL:https://about.mercari.com/press/news/article/20190226_mercari_mri_research/
【第1部:「2019年度フリマアプリ利用者と非利用者の消費行動に関する意識調査」 結果報告】
■中古品を活用する世代が拡大し、 フリマアプリは一時流通の購買行動にも影響
今回の調査では、 若年層だけではなく、 50代、 60代へと中古品の活用が広がったことを示しています。
人生の長さに比例しかくれ資産(自宅に眠る不要品の総額)も多く、 潜在的にフリマアプリで売る在庫が多く実は相性がいい世代でもあります。
フリマアプリが普及することで、 中古品への抵抗感が薄れ、 オンライン・オフラインの場を問わず中古品の購入を後押ししています。 フリマアプリ利用者の約6割が中古品の購入が増えたという回答もあり、 循環型社会に貢献していると言えます。 また、 新品の購買行動も変化しています。 新品を購入する時に「リセールバリューを考える」といった行動が増加しており、 フリマアプリの利用によって、 新品の購入単価が上がったと回答した消費者が約30%存在しています。 これらの結果から、 フリマアプリの普及は一次流通の購買行動にも影響を与え、 新品の購入を後押しする可能性があることも明らかになりました。
【第2部:「フリマアプリがもたらす消費への影響」パネルディスカッション】
■中古品への抵抗感、 新品へのこだわりが減少
小泉:実際50~60代の利用者は拡大しています。 社会的に見ると、 この世代のスマホ利用がアクティブになっていることも影響していると思います。 娘などと一緒に使うケースや、 まわりが使っているという口コミの広がりなど、 使いたいと思っていた方々が背中をおされて使い始めるようなことが起こっている のだと思います。
■フリマアプリ利用者の消費行動
宮川:今年2月に調査し定義したシェアリングサービス普及後の消費モデル「SAUSE(ソース)」について、 4月に追加調査を行いました。
シェアリングエコノミーによって、 これまで消費行動における検索という概念は「商品を探す」ことでしたが、 購入前にフリマアプリなどで「売れる金額を事前に調査する」という検索行動が生まれています。 調査では、 フリマアプリ利用者は、 洋服の情報収拾はテレビやブランドサイトよりもSNSやフリマアプリを使っているという結果がでており、 モノの売買だけでなくメディアとして利用されている とも言えます。
フリマアプリでの売却後に71%が「商品・ブランドの評価が変化した経験ある」という結果もあり、 利用時の満足度は低くても、 売れることでコスパを評価し、 結果的に商品やブランドへの満足度が変わるというような価値観の変化も生まれています。
山本:フリマアプリ利用者では新品購入の際リセールバリューを考えるようになった割合が昨年より9.7%増加し全体で6割を超えています。 一部の先端の人だけでなく、 想像以上にたくさんの人が、 誰かに売ることを踏まえて新品を買っています。 自動車では古くからこのような考えはありましたが、 洋服など幅広いモノに拡がってきています。
■シェアリングエコノミーのこれから
山本:フリマアプリの登場によって消費者が変わりました。 これに合わせて企業も変わっていくと思います。 中古品としての価値、 二次流通での評価を意識し、 新品の段階から売りやすさを考える企業も増えていく と思います。
宮川:二次流通の価値が落ちないブランドに人気が集まり、 そういうスターブランドを持っている企業に優位性が出てきます。 ブランドの概念も変化し、 ラグジュアリーであることだけではなく、 耐久性など長く使えることなどもブランドの価値として評価されていく でしょう。
小泉:メルカリとしては、 AIなどの技術やリアルでの体験場を通じて、 デジタルリテラシーが低くても使えるサービスを提供することで循環型社会を支えていきたい。
シェアリングエコノミーが進んでいくことで、 定価をあげるブランドが出てくる のではないかと思います。 アパレルなどでは商品を作る量は年々増えているが、 消費量は増えていない。 少し長いスパンで考えると、 単価をあげることで、 在庫を減らし、 無駄のないサステナブルな社会に近づいていく。 今の若者達はそういうモノを選んでいくと思います。
■登壇者のご紹介
株式会社メルカリ取締役社長兼COO 小泉 文明
1980年生まれ。 早稲田大学商学部卒業後、 大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。 2007年よりミクシィにて取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄。 2012年に退任後、 複数のスタートアップを支援し、 2013年12月メルカリに参画。 2014年3月取締役就任、 2017年4月に取締役社長兼COO就任。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 山本 晶 准教授
1996年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。 外資系広告代理店勤務を経て、 2001年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。 2004年同大学院博士課程修了。 博士(経済学)。 東京大学大学院助手、 成蹊大学経済学部専任講師および准教授を経て、 2014年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授。 専門はマーケティングで、 主に対人影響の研究に従事。 日本マーケティング・サイエンス学会、 日本消費者行動研究学会、 日本マーケティング学会(常任理事)、 日本商業学会、 INFORMS、 AMAの各会員。 主著に『キーパーソン・マーケティング: なぜ、 あの人のクチコミは影響力があるの か』(東洋経済新報社、 2014年)。
株式会社三菱総合研究所 シェアリングエフェクト研究チームリーダー 宮川 貴光 氏
早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了。 大手メーカーにてマーケティング、 事業開発を経て、 2017年より三菱総合研究所に入社。 経営コンサルティング本部にて主に経営戦略、 新規事業開発に関する調査・研究・コンサルティングに従事。 同年よりシェアリングエコノミー研究チームのリーダーとなる。 専門領域はマーケティング、 事業戦略。 ビジネスモデル学会、 日本マーケティング学会会員。
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