TikTok For Business Japan・稲垣勇登氏インタビュー「クライアントとメディア両方を経験したマーケターが語るこれからのアプリ業界」

TikTok For Business Japan・稲垣勇登氏インタビュー「クライアントとメディア両方を経験したマーケターが語るこれからのアプリ業界」

本連載「日本のアプリマーケター100人」では、アプリ業界で活躍するマーケターさんをゲストに迎え、ご自身のマーケティングに対する考えや価値観、これまでの経験などをインタビューしていきます。第8回目のゲストは、三浦史也さん(DiDiフードジャパン株式会社)からのご紹介で、TikTok For Business Japanの稲垣勇登さんをお招きします。

稲垣さんは大学卒業後、メルカリに新卒マーケティングの第一号として入社。メルカリUS事業のデジタルマーケティングを幅広く担当した後、メルカリ日本事業のグロース、CRMマーケティングに従事、2019年にTikTok For Business Japanに中途入社。現在はTikTok For Businessの運用型広告製品 プロダクトマーケティング日本市場責任者を務めています。

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稲垣勇登氏 TikTok For Business Japan 運用型広告製品プロダクトマーケティング責任者(Head of Japan Product Marketing, Performance Ads)

プロフィール
大学在学時よりDeNAなど複数社においてマーケティング関連のインターンを経験、法政大学社会学部メディア社会学科卒業後、株式会社メルカリに新卒入社。アメリカ事業のグロースマーケティング領域において、新規ユーザー獲得、LTV最大化を目的としたデジタルマーケティングを担当。その後フリマアプリメルカリの日本事業において新機能、注力カテゴリーのグロースマーケティングやCRM施策をプロダクトマネージャーとして推進、実行。
2019年8月TikTok For Business Japanに中途入社。運用型広告製品担当のプロダクトマーケティングマネージャー(PMM)としてEC業界向けソリューションや広告ネットワーク製品の日本市場導入戦略の策定、オペレーションなどを担当した後、2021年7月より現職。

(聞き手:ナイル株式会社 高階良輔)

 

新卒1年目からチームでトップを占めるアプリ広告予算を運用、若手にもチャンスがある環境

この連載のゲストで、媒体側のマーケターさんは初めてなので楽しみにしていました。本日はよろしくお願いいたします。まずは稲垣さんのご経歴についてお聞かせください。

稲垣:プロダクトやマーケティングと言う切り口で、オンライン広告の広告主サイド(出稿側)とメディアサイド(媒体側)をどちらも短期間で経験している経歴はもしかすると珍しいかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします!

私は大学卒業後、メルカリに新卒のマーケティング第一号として入社し、US事業のデジタルマーケティング部署に配属されました。当時は事業自体もグロースフェーズにあり、新規のユーザー獲得に大きく投資をしているタイミングで、基本的には東京の本社から海外配信の形で施策実行しつつ、アメリカのパロアルトにあるUSオフィスにも定期的に長期出張し、主にはGoogle広告やFacebook広告のインハウス運用において様々なチャレンジをしてきました。

US市場の売上トップラインを伸ばすために 必要な新規ユーザーの獲得指標を定め、各広告チャネルにおける戦略的なデジタルマーケティング施策を、仮説立てから出稿~分析まで推進することが自身の役目でした。

 

-当時のマーケチームではどのような役割を担当していたのでしょうか?

稲垣:自分が担当するのはGoogle広告とFacebook広告のアプリインストール配信とリエンゲージメント配信で、各広告配信目標に対する予算管理やキャンペーン進行、広告最適化、クリエイティブディレクション、分析などを幅広く任されていました。小規模のチームながら、自分を含むメンバーで分担をし、巨額の広告予算をほぼ社内で回していました。

 

-メルカリさんのような規模でビジネスを展開する企業が、少数精鋭というのはとても意外ですね

稲垣:インハウスの方が代理店配信に比べるとPDCAが早く回せるという仮説があり、当時は日本事業においてもアメリカ事業においても、基本的にインハウスの運用で回す方針を取っており、自分のようなマーケターをはじめ、高度なデータ分析を担当するデータアナリスト、クリエイティブデザイナーなど、デジタルマーケティングに必要な各メンバーがチーム内に在籍していた為、効果の高そうな施策をすぐに仮説検証できる組織が整っていました。

 

-それだけ巨額の予算を扱うチームに、新卒の稲垣さんが抜擢されたのはなぜでしょうか?

稲垣:大学在学中から長期インターンとしてメルカリでは働かせていただいていたので、デジタルマーケティングの基本的な仕組みや概念を既に理解できていたことや仮説検証をベースとした施策実行が元々好きであったことの2つが大きかったのではないかと思います。

メルカリは当時から「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」というバリューを全社で掲げていて、若手にもどんどんインパクトのある領域を任せようという社内文化が深く浸透していたんです。

実際に、インターン入社の初日からそれなりの月間予算を任せてもらっていたので、バリューを体現している会社だなと思います。

 

-めちゃくちゃインパクトがありますね(笑)そうやって経験が少ない若手にどんどん任せることで失敗などは起きないのでしょうか?

稲垣:たくさんチャレンジできたので、今振り返ると、大失敗と呼べるものから細かい失敗まで色々とあったと思います(笑)。しかし失敗したことによって、その後の仕事や評価に影響することありませんでした。当時のチームは本当に上司やチームメンバーに恵まれていたと思います。

 

-チャレンジが推奨される風土があるからこそ、稲垣さんも新卒から最前線に立つ経験ができたのですね。

意思決定力こそが事業成長の鍵、メルカリで学んだ「データの民主化」

-稲垣さんが、具体的にどういった仮説とアプローチで検証されていたのか、ぜひ聞かせてください。

稲垣:マーケティングへの考え方やアプローチによって、広告配信戦略も変わりますが、当時は主に新規インストールユーザー獲得の単価とインストール後のLTVをメインに見ており、各媒体の配信メニュー、最適化手法、自動化機能などを組み合わせて使い倒しながら最小の工数でROASを最大化するための仮説立てと、施策進行、分析検証を担っていました。

広告経由でのユーザー獲得の場合は予算を消化している以上、基本的にROASを意識しますが、メルカリの場合は出品と購入どちらの行動もトップラインのGMV に影響を与えるので、新規の広告経由ユーザーにおいてインストール後に出品と購入のどちらのアクションを先に行うユーザーの方が最終的なROASは改善されるのかといった問いを検証するため、媒体のアプリイベント最適化機能などを駆使しながら広告配信戦略を考え、施策の推進をしていました。

 

-仮説検証を行うためのデータの収集や分析は、チームで行われていたのでしょうか?

稲垣:必要なデータは、ある程度自分でSQLのクエリを書いてBigQueryから持ってくるようにしていました。これは社内文化が大きく影響しているのですが、メルカリには「データの民主化」という考え方があり、SQLのスキルはチーム全員が持った方がいいとされていました。

自分たちのインストールユーザー獲得の状況や獲得ユーザーの各定点におけるROASをモニタリングできるようにとBigQueryと連携しているデータプラットフォーム上でダッシュボードを設計し、誰でもアクセスできる環境を構築していたので、仮説や施策を考える際にとても役に立っていたと思います。自身で作成したクエリのチェックやチームメンバー向けの勉強会などは、データアナリストチームが担ってくれていました。

正しいソースに基づいたデータをビジュアライズして、チーム全体がいつでも見れるようにしておくというのは、私自身現職でも大事にしていることのひとつです。

 

-「データの民主化」というのは非常に参考になる考え方です。

稲垣:Big Queryをベースとしたデータ分析以外にも、社内のデータベースを通じて各自が実施した施策や検証方法、結果を全社向けにシェアする仕組みがありました。これは、同じ施策条件下で同じ失敗を繰り返してしまうことを防ぐことや、仮説や戦略を気軽に他部署を含めたメルカリ全社メンバーに対して共有することを目的としたもので、社内のデータベースに情報を蓄積していました。

「こういう施策をやってみた結果こうだった」という過去の事例がまとまっていて、コメントやSlackを通じて「3ヶ月前のこの施策って、今やっても効果的か?」といったことをメンバーとすぐ相談できました。私も、社内で共有された情報を見ながら他のチームの分析やデータアナリストの方々が実施した高度な分析結果を参考に、新規ユーザー獲得施策の方向性を考えたりしていました。

 

-それはすごくいいですね、まさに「データの民主化」。同様のことをやりたい企業は多いと思いますが、定着させるのは難しそうですね。

稲垣:企業のカルチャーが影響するのではないでしょうか。メルカリが実現できた背景には、「改善」に対する意識が高いメンバーが多く、「データ分析と検証結果の価値」を高く評価する文化が社内で醸成されていたことが大きかったからだと思います。意思決定を支えるデータを全員で共有することが、意思決定ができるメンバーを増やし、事業成長に繋げていたのだと思います。

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<2018年6月19日 東証マザーズ上場日 メルカリUS パロアルトオフィスにて>

レコメンドシステム×動画広告の可能性を感じてTikTok For Business Japanへ

-稲垣さんはその後、TikTok For Business Japanに転職されていますよね。クライアント側からメディア側という大きなキャリアチェンジですが、きっかけはなんだったのでしょうか?

稲垣:デジタルマーケティングのチームとして日々広告運用を行う中で、GoogleやFacebookの広告プロダクトのレベルがどんどん進化していると感じました。以前は運用者のスキルに頼っていたものが機械化によって必要なくなり、「今後はレコメンドシステムが強いプラットフォームが残っていく」ということを感じるようになったんですね。

その一方で、ターゲティングや配信最適化の部分はレコメンドシステム(機械学習)に代替えされつつも、運用型広告はより一層クリエイティブの重要性が高まるとも考えており、「レコメンドシステムのテクノロジーと、強いエンゲージメントをもたらす広告フォーマットの両方を持っている広告プラットフォームが今後主戦場になるのではないか」と考えました。

当時からTikTokはレコメンドシステムにかなり強い印象があり、アドフォーマットも音声付きのフルスクリーン動画フォーマットが基本となっていたので、TikTokが提供する運用型広告ソリューションがこれから更に伸びるであろう点、開発力を考慮してもこの会社の未来が想像できないところが同時に面白いとも感じたことで、中途入社することを決めました。

 

-現在はどういった領域を担当されているのでしょうか?

稲垣:弊社は「TikTok For Business」という広告プラットフォームを提供しており、自分はその中のいわゆる運用型広告製品のプロダクトマーケティング責任者を勤めています。日本市場に対する広告プロダクトの導入戦略やオペレーションを管轄し、フロントラインで代理店様や広告主様とコミュニケーションを行っている日本の広告営業チームと製品開発を行っている本社の間に入りながら、広告売上の最大化と媒体価値の最大化をミッションとして業務を行っています。

具体的な配信先は、自社プラットフォームである「TikTok」と「Buzzvideo」、そこにオーディエンスネットワークの「Pangle」を合わせた3つになります。世界の各市場と比較してもパフォーマンスドリブンの傾向がある日本市場において、運用型広告のプロダクトマーケティングというのは難易度が高いと感じることもありますが、ROASやCPAを配信目標としているクライアント様に対して様々なアプローチ、切り口で製品を導入し、マーケティング施策を成功に導くベースを築くことが自分のチームの求められていることだと思っています。

 

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-TikTokならではの強みや魅力などはありますか?

稲垣:ひとつはフルスクリーンの動画プラットフォームであるということです。ユーザーは基本的にサウンドオンの状態で動画を視聴していますし、直近弊社から発表させていただいたTikTokアプリの1日あたりの平均利用時間も60分以上と非常に長くなってきています。動画クリエイティブの配信先として、今後も様々なソリューションを提供していく予定ですので、ぜひ期待していただきたいと思います。

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また、こうしたプロダクトの未来予想図の中で弊社として今後もキーワードとなってくる軸はやはりレコメンドシステムになります。「アクションを起こしやすいユーザーに広告配信を最適化する」という考え方自体は業界水準になってきているのかと思いますが、弊社の運用型広告プロダクトの場合、特にTikTok面において、ユーザーの興味関心に対するレコメンデーションシステムにプロダクト上の重きを置いているところがあるので、今後の外部環境の転換期に置いても適切なプロモーションが実施できることが強みだと思っています。

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-現在はどういった業界のクライアントが多いのでしょうか?

稲垣:2019年の入社当時は、アプリゲームクライアント様の新規ユーザー獲得施策やリテンション向上を目的としたリエンゲージメント配信に活用されることが多かったと記憶しています。

ただ、現在はZ世代だけでなく30代以上のユーザーも増えているので、それに合わせて多様な業界のクライアント様からご活用されるようになってきています。

 

-今後注力していきたい領域はありますか?

稲垣:EC領域に力を入れたいと考えています。ユーザーから強い支持を得ているクリエイターさんがいることはTikTokの強みのひとつですし、そういったクリエイターさんを通じて(アプリのユーザー様と広告主様の両方に)新しいインターネットコマースの体験を提供したいと考えています。(ネットショップ作成サービス「BASE」と提携

また、同時に広告主様がプロモーションする商品を弊社の広告フォーマットにおいてより魅力的に見せるプロダクトや、様々なマーケティングファネルの目的に対応したECソリューションも日本市場への導入を開始しています。今まで、画像クリエイティブを中心にネイティブの広告フォーマットに対するデジタルマーケティング施策を実施されてきたEC広告主様に対して、動画フォーマットを活用した新しいマーケティングの在り方を弊社なりに提案していきたいと考えています。なかでも、最近リリースした「コレクション広告」は、ブランディングと商品訴求を同時に実施可能な新しい広告フォーマットとして高い成果に繋がっています。

 

-話が少し逸れますが、現在ATTフレームワークに伴うIDFAの廃止が大きな話題となっています。これをどのように受け止めていらっしゃいますか?

稲垣:ユーザーの粒度が抽象化し、「IDに紐付いた特定の個人」ではなく「グループ(〇〇が好きな人たち、〇〇の傾向がある人たち)」として一定の集団のような捉え方をしていくのが今後のデジタルマーケティングにおける1つの切り口だと考えています。

その点、ユーザー様の興味関心にあわせて動画を配信するという部分において弊社が得意としている部分でもありますので、広告主様、代理店様には、従来の手法とは異なる考え方やアプローチで弊社のプラットフォームとお付き合いいただけると非常に嬉しいです。

 

-もしご自身がいまクライアントサイドにいたとしたら、ATTフレームワークに対してどういう対策を考えますか?

稲垣:これは現職の立場上なかなか回答が難しいのですが、これまでは「まずは立てた仮説をベースに実際に広告配信をしてみて、その結果を不正確なファースト、セカンドパーティのデータと合わせて施策の改善や最適化を進める」方法が主流でしたが、そうしたテスト&ラーンが以前よりも実施しづらくなる状況が想定されると思うので、マーケターは新しい考えた方や方法で日々の業務に取り組む必要があると考えます。

今後は、例えば「これに興味がある人は、次にこれに興味を持ち、このアクションを行うだろう」といった緻密なマーケティングのストーリーを組み立てることが重要になるのではないでしょうか。各ファネルやチャネルを分断した断片的な施策ではなく、マーケティング施策における前後のアクションの相関性なども含め考えていくのが良いのかもしれません。

特定のIDに紐付いたデータをベースとした考え方だけではなく、その前段階で組み立てる施策の定義化や重み付け、ストーリー作りなどの業務が重要になってくるというイメージを持っています。

 

-確かに。それは検証においても同じことが言えそうですね。

稲垣:はい、粒度を高めて施策を評価・分析していく必要も今後出てくる可能性があると思います。例えば、施策の実施期間と非実施期間を分けることで大まかな効果測定を行ったり、OSという切り口を利用してiOSとAndroidをそれぞれテスト、コントロールグループとして捉え施策検証に活用してみるなど、より抽象度の高いレイヤーで施策の実施、分析をする必要が出てくるかもしれません。

あとは、(仮にIDFAが廃止になったとしても、)自社が保有するファーストパーティーデータを如何に掘り下げられるかにあると思います。自分もクライアントサイドでマーケターをしていた頃は「自社のファーストパーティのデータの中に施策のヒントがある」と考え分析を行っていました。IDの取り扱いなどは変わっていく可能性はありつつも、自社のデータを使って仮説の解像度を高め抽象度を出来るだけ下げていくことも、今後マーケターが持つべきアプローチのひとつだと思っています。

クライアントとメディアの両目線を持つマーケターとしての強み

-稲垣さんは、「メルカリ」というクライアントサイドと「TikTok For Business」という広告プラットフォームのいずれも経験をされています。こうしたバックグラウンドはご自身の強みにもなっているのでしょうか?

稲垣:はい、広告プラットフォームを提供する立場にキャリアチェンジしたことは自分のキャリアにおいても良い変化となっています。C向けのアプリグロースの立場でデジタルマーケティングを推進していた経験をベースに、パフォーマンスマーケターの目線や考え方を持って、広告プロダクトの市場導入戦略、日本市場固有の文化や商慣習に合わせたオペレーションをリードできることは自分の強みなのかもしれません。

運用型広告製品のプロダクトマーケティングには、広告主様、代理店様側におけるプロダクトニーズの理解が必要なので、日本のマーケットにあった運用型広告プロダクトの市場導入戦略を考える際に、広告主サイドでの経験は非常に役に立っています。

メディアプランニング、配信設定から最適化、分析までの全てのプロセスを経験したからこそ、運用型広告にデジタルマーケターが求めているプロダクトや機能を自分ごと化しながら理解できるので、広告製品のプロダクトマーケティングをリードする人間として迷いなく戦略やオペレーションにおける意思決定ができています。

また、日本のデジタル広告市場ですと、我々のような広告プラットフォームと広告主様との間に代理店様が商流上入ることが多いのですが、弊社の営業メンバーやクライアントソリューションのメンバーから代理店様経由で広告主様の戦略や目標KPIについて共有されることが度々あります。そうした時にも、自分はできるだけメルカリ時代に培った視点で「代理店様の先にいる広告主様側のデジタルマーケターが何を考えて、何を見ているか」を気にするようにしています。

 

-メディア側に立ちながら、常にクライアント側のマーケターのことを意識していると。

稲垣:そうです。 実際にクライアント様が弊社のプラットフォームで配信する際に使用している最適化目標の指標や、弊社媒体への評価や機能のフィードバックなどの粒度も様々で、かつ断片的な情報から広告主様側のマーケターの気持ちを察することができるのは自分の過去の経験が役立っていると感じます。

常にデジタルマーケターやアプリマーケターの視点で運用型広告製品のプロダクトマーケティングを考えていかないと、我々のような新興プラットフォームのプレイヤーの場合は、プロダクトを正しく日本のマーケットに落とし込み、実際に日本のローカルマーケターが求めているソリューションを提供することは難しいと考えており、こういった領域で引き続き自分の経験をできるだけ活かしたいと考えています。

 

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-マーケティングの全体感を把握している稲垣さんのような方がメディア側にいることは、クライアントにとっても非常にありがたいと思います。最後に、そんな稲垣さんが考えるこれからの若手のアプリマーケターに求められるものは何でしょうか?

稲垣:昨今、また今後訪れる外部環境の変化に対して、デジタル、アプリマーケティングプロセスの中にある一部の断片的な領域の業務だけでなく、全体感を把握し、語れることがアプリマーケターにおいては今後更に重要になっていると思います。

一方でそれと同時に自身の強みとなるドメイン(戦略、キャンペーンマネジメント、クリエイティブ、分析など)を1つ以上持ち、自身が担当している領域においては会社内、業界内でも最も知見があると言えるまでとことん突き詰める力が必要だと考えています。

特に、デジタルやアプリマーケティングの業界の担い手がエイジアップしている中で、昨今の20代マーケターにおいては局所的な領域を任されることも多いかと思いますが、とにかく担当している目の前の施策の細部にまで目を向け、成果に拘ることが大切だと考えます。その中で施策の実施背景説明、実施工程、分析、報告を高いレベルで行えるようにすることです。

マーケティングディレクターやマネージャーのレイヤーになると各施策理解へ使える時間が少なくなり、状況理解の抽象度が増す中で、施策の担い手である若手マーケターの方から、具体的かつ整地な検証結果の共有や、インサイトの供給が常になされることはマーケティング組織を強くする上でも重要であり、かつ実際に細かな施策を担う若手にしかできないことだと思います。

 

-本日はありがとうございました。

稲垣さんご紹介 アプリマーケターにおすすめの本

次回のゲストマーケターは?

「日本のアプリマーケター100人」では、リレー形式で次のゲストマーケターの方をご紹介頂きます。TikTok For Business Japan・稲垣さんからのご紹介は、カウシェの前本さん。

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同い年のデジタル、アプリマーケターとして以前から親交があり、現在はカウシェでCOOとして日本のECの新しい購入方法の繁栄にチャレンジされているとのことで、マーケティングバックグラウンドのビジネスパーソンが如何にしてスタートアップ経営に向き合うのか、是非お聞きしたいと思います。

 

TikTok For Businessでは、様々な広告製品の企画をはじめとするマーケティング領域のメンバーを積極採用中です。

https://jobs.bytedance.com/jp/

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